Generation Phantasy

エピソード1
あとがき

 時間をかければいい物でもなく、量が多ければいい物ではないのですが、約1年半という時間と400字詰め原稿用紙で約1400ページという量は、「よく書くよなぁ」と客観的に感じます。
 連載を始めた当初は、こんなに長くなることも多くなることも予想していなかったんですが、仮に予測していたとしてもちゃんと書ききれる自信はなかったと思います。ここまでちゃんと書き切れたのは、ひとえに「読んでます」「面白かったです」というちょっとした感想をメールや掲示板で頂けたりオンラインで直接言ってくれる人達がいたこと。そして人が訪れていることを示しているカウンターの数が回っていたことで勇気づけられたことだと思います。

 ヒロインはESで、他はあくまで登場人物として書いていくつもりだったのですが、何時のまにやらダークサーティーンのメンバーみんなが主人公になっていきました。よく小説家や漫画家が「キャラクターが一人歩きをし始める」なんて事を言いますが、まさにそれを体感しました。いやぁ、どーしてZER0があんなに格好良く、しかもさりげなく人気あるキャラになるなんてことに(笑)。
 一人歩きし始めたのはなにも主人公達だけでなく、NPCもかなぁり一人歩きし始めましたね。レオのようなゲーム中ほとんど語られていないキャラは初めからオリジナルキャラに近い形でイメージを固め書いていくつもりではいたのですが、ほとんどのNPCがZAPオリジナルキャラになっていきましたねぇ(汗)。NPCはそれぞれにファンもいるでしょうし、イメージも異なっているはずです。そんな中でZAP流のNPCがZAP解釈でどんどん突き進んでいくのを、読者はどう捉えているのか? ある意味ストーリーへの評価よりもそれがすごく気になってました。まぁ途中で「別にいっか」と開き直れましたけどね(笑)。
 ストーリーも「ゲームのオリジナルストーリーに沿っていく」というやり方にしてありましたから、これへの評価もどうなるのかなぁというのは心配でした。普通二次創作(ゲームやアニメ,コミック等を元にして第三者が創作する物)では、この「オリジナルにそう」というのは当たり前というか基本な訳ですが、PSOに限って言えば、主人公=プレイキャラを自分で制作するところから始まるゲームだけに、ほとんどのPSO二次創作をやられている皆さんは、舞台こそPSOながら自分の制作したキャラを主人公とした創作物(筆者のオリジナル)のような物を書かれて(描かれて)いる方が大半でした。言い方を変えると「創作よりの二次創作」って感じですかね。それはそれで非常に面白く、ほんとうに皆さん良い物を書かれているのですが、そればかりになるとこう、マイナー指向の強い俺としては反発したくなるので(笑)、あえてゲームオリジナルの話に沿った物を書こうと思い立ったんです。
 そこで思いついたのは「アッシュを主役にNPCだけで語られる小説」だったんです。最初はね。中にはこっちの方が良かったという人もいるかなぁ(笑)。しかしそれではあまりにも面白みがないかなぁと思ったのと、旧シリーズのファンだった自分としては、旧シリーズとの関連性を持たせたいという思いもあり、当時(今もだけど)使用していたキャラ「ES」をヒロインに、彼女を「ネイ・ファースト(PS2の中ボスで、PS2のヒロイン、ネイ・セカンドの姉)の生まれ変わり」としてPSO世界で活躍する話を思いつきました。そして「ルツ(旧シリーズのキーとなったキャラ)の記憶を継承した人物」としてやはりプレイキャラだったMを選び、脇役(笑)として「A−ZAP」と「ZER0」を選びました。「A−ZAP」はあまりにまんますぎて恥ずかしいので「BAZZ」に改名しましたけどね。
 この旧シリーズとの関連づけ設定は、実のところ森編を書いている途中までは生きていたんです。ですが旧シリーズを知らない人がこの設定のままでオチを迎えると盛り上がりに欠けるかな? と思い始め、設定変更をしたんです。といっても森編ではほとんど影響なかったんですけどね(ちなみに、最終話を二つ用意して、旧シリーズを知っている人向けと知らない人向けにする計画もあったりして・・・)。
 設定変更は執筆中に微妙なものはやってましたね。大幅な変更はしなかったんですが、なにせPSOは後からクエストとか配信されるから色々とねぇ(笑)。いやぁ、エピソード2が出るって聞いた時は慌てた慌てた(笑)。まぁ執筆が遅かった(汗)ことが幸いして、色々と調整できたのは良かったです。ノルに関しては手遅れとあきらめてたから修正もしてないし(笑)。
 あと個人的な試みとしては「ゲームを知らない人でも楽しめる小説」という事をコンセプトにしたのと、それにあわせて「知っていることを前提とした表現をしない」というのを自分への課題にしていました。このためエネミーの名前がほとんど抽象的な物ばかりで、かえって分かり難いかなぁとも思ったのですが・・・ここをどう克服するかというのはこれからも課題となりそうです。あとなんとなく「アメコミっぽく」という理由で擬音が全て英語になっていますが・・・正しい使い方だったかどうか自信ない(汗)。元々あまり擬音は使いたくないので、英語でごまかしていたってのもあるんですけどねぇ。
 それともう一つの試みは「あえてゲーム中の台詞を活かした物にする」でした。気付いた方も多いと思いますが、NPCの台詞はゲーム中の物と同じ物を多用しています。これを「手抜き」と捉える人も多いだろうなとは思ったのですが、この試みは未完で終わってしまった「エルドラドゲート」というゲームの二次創作から始めていたことで、こう言うのは何ですが、結構難しいんですよ。むしろ書き直した方が楽なんですよね。でもこの試みは「二次創作としてゲームを活かす」というテーマでもあり、後々ゲームの台詞でない筆者の書いた台詞へと移り変わっても違和感を与えないことで自然に引き込むという狙いもあります。その狙いがうまく機能したかどうかは・・・皆さんの評価次第ですね。

 では次からは各キャラクターの裏話などをつらつらと・・・。

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