Generation Phantasy

エピソード1
あとがき

ES

 元々は旧シリーズPS2のネイ・ファーストという中ボスの生まれ変わり、という設定がありました。と同時に、スゥのクローンという設定も初めからあったんです。「スゥのクローンにネイ・ファーストの魂が宿った」というのが初期の設定で、さらにリコはネイ・セカンドの生まれ変わりであり、最終話での「二人のリコが対面する」シーンは、「ダークファルスとなったネイ・セカンドと優しさを知ったネイ・ファーストの対面」という意味深なシーンとして盛り上げるつもりでしたが・・・やっぱ知らない人には何のことやらって感じだよね(笑)。
 ESは「旧シリーズを取り入れる」という初期設定が色濃く残ったキャラですね。性格設定はPS4のライラ・ブラングウェンというキャラがモデルになっていたりしているのもそうですね。キャラメイクのイメージも、実はスゥが基本になっていたのではなく、あくまでライラをイメージして作っていたんです。肌が黒いのは筆者の好み(笑)。そしたら髪以外スゥと同じになったので、スゥのクローンというアイデアが後から生まれたんです。まぁキャラメイクの時は小説を書くなんて思ってもなかったんですけどね。ちなみにダガーを愛用する設定は筆者が好んでダガーを使っていたからで、ネイクローを持っていたのはネイ・ファーストの生まれ変わりという設定を活かす為の小道具だったわけです(結局ネイクローの秘密はEP1では語られてませんけど・・・ここはどこかで語る予定です)。
 ライラをモデルにしたとはいえ、結局はあまり似なくなりましたね。「お姉様キャラ」ってくらいか? なんつーか・・・筆者の好みの女性その1って感じか?(笑)。バイセクシャルなのは好みというか欲望というか・・・(汗)。いや本当はリコと恋人という設定もどーよと自分でも思っていたんだけどね、最初。ただなんつーか・・・ごめん、ホントこのあたり欲望出っぱなしで(謝)。この「リコと恋人」という設定では、最初に序章を読んだ人が引くだろうとずっと思っていたのですが・・・思ったよりはそうでもなかったようで、それはそれでホッとしている反面、よくあそこから先を読む気になるよなぁとか思ったり(笑)。
 前半ではリーダーとして強い女性を描きつつ、後半では内面の弱さとか苦悩を描く、というのは当初からやりたかったことです。そこをきちんと表現できたかなぁというのは反省面としてこれからの課題にするとして、基本的には思った通りに書けてるかな? と自負しています。ただ計算外だったのは、ZER0の存在で・・・いやほんと、くっつける気はなかったんだよ最初はな(笑)。ZER0はESと逆で、軟派師なんだけど内面はしっかりしているって事で、だけどピンチに陥るのを「リーダーとして」どう対処するのか? というのをやりたかったのになぁ・・・なぁ・・・やっぱり欲望が前面に出てるなぁ(笑)。
 名前は、作中だと「Eighth SUE(8番目のスゥ)」という事になっていますが、これは後付で、実際にはesというフロイトが提唱した精神学の単語(リビドーと呼ばれる無意識的な心的エネルギーの源泉。快を求め不快を避ける快楽原則に従う。という意味で、読みは「エス」が英語読み、ドイツ語なら「イド」です)からとっています。

ZER0

 元々はDC時代に「レベル1からやらない?」という仲間内での提案から制作したキャラで、後から小説のモデルに抜擢されたキャラなんです。なのでほとんど思い入れは無いに等しいところから作られたはずなのになぁ・・・どーしてこんなにも人気出るキャラに成長したかなぁ(笑)
 ESの所でも書きましたが、彼はESと対照的なキャラとして用意したもので、軟派師として貧弱な印象を与えつつ、実は一番ハートが熱い男、というコンセプトがありました。まぁ簡単に言えば「シティーハンター」の冴羽遼を目指してました。目指してましたが追いつけなかったなあの格好良さには(笑)。まぁあまり似ないようにと気を付けていた部分もありましたけどね。
 それと実は、彼はアッシュの替わりでもあったんです。前ページでも書きましたが、一番最初はアッシュを主役に、と考えていた小説でもあったので、ZER0には準主役の位置づけは当初からあったとも言えるんですよねぇ。
 本当はモテモテキャラ(笑)にする気はなかったんです。いや、ホントにね・・・。でもどーしてこうなったかなぁ・・・どこかでZER0に自分の願望を投影していたんだと思います。例えばノルとのやりとりにしても、あの場限りのロマンスで終わらせるつもりだったんですよ。ほら、ハードボイルドな展開ならそーいうのがめちゃくちゃあるじゃないですか。そういうのを目指してたんだけどなぁ・・・ノルそのものが気に入っちゃったので後々出ることになったのをきっかけに、あれは持てるキャラになっちゃったなぁ。そのせいか、どーにも「その辺によくある設定のキャラ」って感じがぬぐえなくなっちゃいましたね。そういう意味で、目指していた格好良さを与えてやれなかったのは可哀想だったかな。でも味はあると思いますよ。今ではかなりのお気に入りキャラです。
 アギトを持たせたのはES同様、愛用の武器だったからですが、その時点でゾークとの絡みを考えていました。四刀を受け継ぐかどうかは執筆途中まで悩んでいたのですが、あのまま名前だけの武器にするのは惜しいかなと、受け継がせることに決定しました。まさかその後GC版で武器として使えるようになるとは思ってませんでしたよ(笑)。
 彼が終盤二刀流に切り替えますが、あのアイデアは皆さん予想されたと思いますが「サンゲヤシャ」が存在するところにあります。ただデルセイバーになったゾークとの対決シーンに関しては、初めから考えていたんですよ。デルセイバーのゾークもそうですが、その前のゾークとの戦いも、かなり前からずっと暖めていたシーンなんですよね。ゾークと絡めることを決めていたのと、あとはBAZZを殺してしまうというシーンを考えていたこと、あとクエスト中では「何かがあった」としか表現されていないゾークの死亡原因を明確に表現してみたいという色んな要素が絡み合って、あのシーンが誕生しました。だからこそもっと壮絶な戦闘シーンを描きたかったですけど・・・戦闘シーンに関してはホント、一番の課題ですね。そんな中でどうにか表現し切れたのは、まぁ良かったかなとは思いますが。ちなみに彼がかまいたちを出す技を会得してますが、あれはGC版からの真アギトが、EXで衝撃波を出せる事に由来します。体力を消耗するのも同じ理由です。

 ESと共に、旧シリーズを活かすという初期設定で始まったキャラです。ルツという旧シリーズのキーとなっているキャラの記憶を受け継ぐ、つまりPS4のスレイの設定を持ってきたキャラとして考えていました。が、結局その名残は終盤で彼女がサイコウォンドを手にしたという事が表立って出ているだけですね。
 彼女もまた、筆者の好みの女性その2って感じで(笑)。優しくしっかりしていて、しかもずっと慕い付き添ってくれる・・・まーなんて都合の良い女性なんでしょう(笑)。まぁだからこそ男の妄想には欠かせないキャラなんですが・・・どーしてESの恋人なんて設定に(汗)。うーん・・・なんというか性別はさておいて、ESとMの関係というのを描きたかったんですよね。ESとリコの事もそうだけど、ESとZER0の性別が逆ならなーんの問題も無いんだがなぁ・・・うーん、当時の俺、どーしてそこまでして強行したんだよと問いつめたいな(笑)
 途中ミミズが嫌いでデ・ロル・レに脅えるシーン出てきましたが、あれは・・・まぁMのを描くシーンが少ないので無理矢理入れた設定とシーンだったんですよね。なのでその事を指摘されたりするほど無理が出てますよね(汗)。あそこはDL版で書き直すつもりです。ちょっと強引すぎましたよね。
 好きなキャラではあったものの、登場シーンが少なかったのは残念でしたね。たぶん5人の中では一番人気薄だったかも? まぁそれでも彼女らしさを出せたらいかな。・・・出せきれなくてゴメン(汗)。でもそれなりに要所要所で彼女の活躍もあったので良かったかな。
 名前の由来は「ミザリー(Misery)のM」と作中ではなっています。「アウターゾーン」というコミックが好きで、そのヒロインの名前からヒントを得たんですけど、実はこれってESの方の名前候補でもあったんです。というのも、そのコミックのヒロインミザリーの髪型はESそっくりだから(笑)。プレイキャラとして制作したのもESより先(セカンドでした)だったりするんですよね。

BAZZ

 元はプレイキャラである「A−ZAP」をそのまま出すのはどーよという事で「BAZZ」として設定したキャラです。「BAZZ」の名前は、自分が素人DJをやっていた時代の番組名「BAZZ VIBITS」からとっているんですよ。
 このキャラは・・・初めから作中で殺すつもりでいました。その為に登場させたキャラでもあります。これはなんというか、二次創作でも創作でも、あまりキャラクターを殺してしまう作家さんがいない、あるいはいたとしても無意味に殺しすぎる、そんなのが蔓延している同人界に一石を投じたいという意志と、「どうせピンチになっても死にはしないだろう」という読者側の変な安心感を裏切りたかった、というのがあります。あとはこう、何かちょっとでも悲しいシーンを「痛い」と表現して避ける傾向のある今の若い人達へのアンティテーゼとか、そういうのもあるかなぁ。一番は「格好良く死ぬシーンを書きたかった」というのが大きいのもあります。つまり色んな理由が混ざり合って、死ぬシーンを描きたかったというのがあったんです。
 最初はそのつもりだったので、思い入れもないつもりだったんですが・・・かなり気に入ったキャラになりましたね。だから、さてここで死ぬ予定だが・・・という所になって、かなり悩みました。本当に殺して良い物かどうか。実際BAZZを一番気にいっていますという読者さんもいたりして、どうしたものかと直前まで悩んでました。結果は・・・皆さんご存じの通りです。いや、書いてて辛かったです。自分としては初めからそのつもりだったのに、こんなに筆が重くなるとは思いもしませんでした。それだけ、自分の中でもかなりBAZZは大きな存在になっていたんだなぁと実感しました。良かったのは、彼が死ぬシーンは「台詞は1つだけ」という独特な試みで表現できた事と、彼の死は不当だという感想は一つもなかったことですかね。まぁ来ていないだけで皆さんがどう思っているかは又別でしょうけど・・・。それに彼の死によって終盤は色々と盛り上げることが出来たのも事実だし、作者としては満足しています。
 彼の性格設定は「人間らしくしたい」というのがありました。アンドロイドだからっていかにもアンドロイドなしゃべり方や感情表現では面白みがないし、なによりPSOらしくないかなぁと思ったのでこうしました。ただ、その為にエルノアがいかにすごいAIを持っているのかという表現に苦労したり、設定資料集でアンドロイドの感情設定を否定されたり(笑/1&2設定資料集のP181〜182エルノアの項目参照)して、色々とありましたけど、なにより「BAZZらしい」という感じが出て良かったかな。SFが好きな人としては、このアンドロイドという設定にはこだわりを持つと思いますが、SFよりも実はヒロイックファンタジーが好きな自分は難しい設定を考えるよりは「まぁこーいう世界だから」ですませる方が好きなんですよね(笑)。

DOMINO

 唯一プレイキャラからではなく、小説の為に考案されたキャラです。彼女を考案したきっかけはDC版の設定資料集にレイマールという職業も準備されていたことを知ったからです。まさか本当にゲームに登場するとは思ってませんでしたよ当時は。イメージとしては設定資料集にあった姿が軍服っぽかったので、そのイメージをそのまま持ってきています。「DOMINO」という名前も、軍服を着た同名のアメコミキャラ(X−MEN等に登場し、ケーブルというキャラの恋人だった。死んじゃったけどね/涙)からです。性格設定はそのアメコミキャラからというよりは、軍人そのままというのを前面に出したいという感じですね。
 彼女は(当時)ゲームにないオリジナルの職業を出すことで小説にもオリジナリティを生み出そう、というもくろみで生まれたキャラです。またハンターズギルドと軍の仲が悪いという設定を活かす目的もありました。なので「メンバーからちょっと浮いたキャラ」という立場にしようと書き進めていたのですが・・・筆者が思っている以上に人気ありましたね、彼女。ある意味一番の計算外だったかも、この人気は。ああ、ZER0とちょっと良いムードになったのも計算外だったな(笑)。
 BAZZを殺すことが前提だったので、彼女はBAZZの後継者的な重圧をかぶり、潰されそうになる、というシーンも考えていました。結果としてはちょっと違う形で表現されることになったのですが、それはそれで、彼女らしいシーンになったかなぁなんてもいます。5人の中では一番一人歩きしたキャラクターだったかもなぁ。ただその為か、「炎のエンジェル」の二つ名を生かし切れなかったのは残念かな。

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