白蛇
白き粉降る冬の日に
白き面影素(そ)にさらし
白き息出る寒空で
白き使いが天昇る
清い御霊(みたま)を持つ故に
悲しき定めを差負わされ
やんやと社(やしろ)に担がされ
乙女は目尻を潤ませる
せめて清き御霊だけ
救ってやれぬか天の者
ならばと一筋光降り
御霊は天へと昇りきる
ああ悲しきは地の者よ
白蛇見上げ罪をこう
業(ごう)を衣(ころも)に着る者よ
業を他(た)に着せ逃れるな
ああ悲しきは残る者
担ぎし社は己(おの)の身に
次を探す事なかれ
白蛇天より見ておるぞ
白き粉降る冬の日は
白き面影持つ乙女
白き蛇に成りし日よ
白き御霊に感謝せよ
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