PSの世界と歴史

ファンタシースター3
時の継承者

 荒涼とした地上。中世を思わせる枯渇した文明・・・・・・。かつて、空を駆け、月の軌道を変えるほどの科学文明が栄えていたこの世界も、いまはただ吹きすさぶ風の中で僅かな文明のかけらを灯しているにすぎなかった。
 なぜ、こんなことに・・・。その訳を知るものは誰もいなかった。ただ・・・、伝説の中にその欠片をかろうじて残すだけであった・・・・・・。

ライアとオラキオの戦いの伝説
 それは1000年前、突然に襲った破壊の傷跡であった。
 当時、人々は科学の光の中で幸せに暮らしていた。
 だが、ライアと名乗る少女の出現によって、平和は崩壊した。彼女はモンスターを造り出す不思議な力を使い、世界を征服しようとした。この力の前に、不滅を誇る超科学文明もなす術を持たず、彼女とその片腕たるエシル家公子によって瞬く間に世界の大半を占領された。
 全ての者が絶望に呻いたとき、ある国に1人の青年が現れた。オラキオ=サ=リーク。それが彼の名であった。彼は、当時の超高度科学技術の結晶たるロボット軍団を率い、ライア軍に敢然と立ち向かっていった。
 突然現れたロボッH軍団に、ライア軍は浮き足だち、敗走を続けていたが、その後何とか体勢を立て直し、戦いを互角にまで戻した。戦いは混沌とし、双方共この状態に決着をつけるため、持てる力を全て使った決戦が行われようとしていた。
 オラキオは最も信頼を寄せるアンドロイドミューンとロボットサイレン、そして最強のロボット軍団を率い、ライアは、エシル公子と、モンスター軍団を従え、最後の戦いに挑んだ。戦いは熾烈を極め、この戦いで、ライアとオラキオは相打ちとなり、エシルは宇宙の彼方へ追放され、また、ミューンとサイレンも行方不明となった。リーダーを失ったそれぞれの軍は、互いに自然消滅し、ここに勝者なき戦いは終わった。
 戦火の中で、文明を支えた装置と記録は失われ、人々の生活も頽廃した。だが、平和だけは確実に戻った。
 その後、オラキオと共に戦った人々の子孫は「オラキオの民」と呼ばれ、ライアに与して戦った者たちの子孫は「ライアの民」と呼ばれるようになった。
 そして、この戦いは「ライアとオラキオの戦い」と呼ばれ、一つの伝説となった。

 1000年の時が経ち、文明の記録は神話となり、ライアとオラキオの戦いも伝説と呼ばれるようになったころ。
 勇者オラキオの血を受け継ぐリーク家の王子、ケイン=サ=リークは、近隣の見回りを兼ね、浜辺を散歩していた。
 と、彼は、浜辺に何かが流れ付いているのを認め、近寄った。それは、美しい一人の少女であった。彼は急ぎ、少女を王城まで運び、手当を施した。
 ケインの手厚い看護のかいあってか、少女は意識を回復した。だが、その記憶にはマーリナという名の他には何も残っていなかった。ケインは、行く宛ののなくなった彼女を自分の客として、王城の一室を貸し与えた。
 それからしばらくは、二人にとって淡い幸せの時が過ぎていった。ケインには、隣国にサテラ姫という、幼いときに決められた許嫁がいたが、ケインの気持ちは、見たこともない女性より、毎日そばにいてかいがいしく自分につくしてくれている少女の方に気持ちが傾いていった。
 そして、ケインはマーリナとの結婚を決意し、両親である王と王妃に自分の気持ちを打ち明けた。両親は当然のごとく反対したが、ケインの堅い決意の前に、ついに説得を諦め結婚を認めることとなった。
 その頃、リーク国の領土内では、頻繁にモンスターが出没するようになり、人々を不安に陥れていた。人々の話では、それはちょうど1000年前の「ライア=オラキオ戦争」のときにライアが造り出したモンスターに似ていたと言う。
 そんな暗く沈んでいたオラキオの民たちにとって、彼らの結婚は明るい話題として町を賑わせていた。
 そして、ケインとマーリナの結婚式の日が訪れた・・・・・・。

ファンタシースター3マニュアルより抜粋

 このプレストーリーを見てもらうと解ると思うんだけど、ゲームのタイトルこそファンタシースターなのに、前作との関連性がまったく見えない。まぁゲームをやるとその関連性もだんだんと見えてきたりするんだけど、前作までがSFの雰囲気があったのに対して、こちらは中世ファンタジーの色が強くシステムも大幅に変更されたこともあって、シリーズを通して楽しんできたファンにとっては戸惑いがあっただろう。
 「時の継承者 ファンタシースター3(以下、PS3)」は、1990年4月21日メガドライブ専用ソフトとして発売。前作から1年1ヶ月後の発売と、まぁファンとしてはちょうど良い時期の発売といえるかもしれませんが、開発的には非常に短期間での開発だったといえるでしょう。しかも、開発陣は前作までのチームとは別に組まれた新チームであったため、前作まで開発に携わっていた人はほとんどこのゲームには関与していないのだ。このことが、前作までのファンに不満を持たせる結果となってしまった(正直、ゲームの善し悪しとは別に、開発陣が違うというだけで毛嫌いするファンが多数いたのも事実)。加えてDQ4が同年2月21日に、FF3が同年4月27日(PS3と6日違い)に発売され、RPGではないが4月20日にはファイヤーエムブレムも発売され・・・メガドライブでは2月24日にソーサリアンが発売されるなど、とにかくライバルが集中して同時期に発売されたことも重なり、PS3はその存在すらかき消されかねないほどの崖っぷちにいた。後日出版された「ファンタシースターの世界(徳間書店)」という本にすら、「PS3は失敗した」として、たった4ページしか紹介していない(内、1ページはイラストのみ)。ファンブックですらこの扱いなのだ・・・非常に危うい立場に立たされていたと言うことだけは確かであろう。
 が、私はあえて言おう。PS3は良いゲームだったとっ!(ギレン風に)。たしかに、あまりにもバタ臭いエネミーのイラストは批判の的になりました。まぁ実際僕も好きじゃない(汗)。しかし、こんなエネミーの中から、PS4ではクエストオンリーのエネミーとして、そしてPSOではマスコット的存在となったラッピーが誕生しているのです。ちなみにこのエネミーたち、アニメーションするんです。一部がピクピク動く程度に(笑)。マッチョマンなエネミーの胸筋だけ動くのは・・・気持ち悪いを通り越して笑えた(笑)。
 また、テクニックのシステムが非常に斬新でした。あまりにも斬新だったために、これも批判の的になりもしましたが、僕はこのシステムは非常に面白いと思っています。文で説明するのはちょっと難しいので、下の図を見てください。

●●●●●●●●
           フォイエ
●           ザン
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  グラブド
●         
  バータ
●         

●         

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図でもわかりにくいか(笑)。まず、テクニックは「攻撃」「バランス」「回復」「時間」の4つ「枠」があり、キャラはこのうち最大2つの枠を持っています(上記の物は攻撃の枠)。この枠は4つのテクニックが配置されており、図のような関係が持たされています。今だとフォイエ4,ザン6,グラブド8,バータ10の威力があることを示しています。この関係は街にあるマスターの店というところで変更が可能で、自分でカスタマイズできるのです。例えば、フォイエの威力を1強くしたければ、ザンを減らして強くするか、グラブドを減らして強くすることが出来るのです。またザンを減らせばグラブドが,逆にグラブドを減らせばザンが1つ増え、バータはどちらが増減しても必ず1つ減ることになります。自分でテクニックのバランスを考えてカスタマイズするこのシステムは、確かに面倒だとは思いますが、非常に面白いシステムだと思いませんか? ちなみに、レベルがあがるとこの枠そのものが大きくなっていきます。またグランツとメギドも存在しますが、この2つはイベント時(エンディング)のみ文章で使用されているだけにとどまっています。
 PS3は先に書いたラッピー以外にも、PS4,PSOに影響を与えたものがあります。それはアンドロイドの存在。今までエネミーとしてしか登場しなかったアンドロイドがプレイキャラとして登場したのはこのPS3から。キャラクターに関しては後ほど解説しますが、このアンドロイド登場は非常に大きな影響力があったのではないだろうか?
 そしてPS3のみの特徴としては、やはり3世代にわたるシナリオ分岐とマルチエンディングですね。1世代目がエンディングを迎えると、2人の女性のどちらと結婚するかを選択することにより、2世代目の主人公とシナリオが決定する。もちろん2世代目も同様の手順を踏んで3代目が決定する。このシステムのおかげで、かなり広大な世界観とシナリオを持たせることが出来た・・・のですが、開発期間が短かったためか、表現し切れていないところも多々ありましたね。実際、エンディングは4つあるものの、正直どのエンディングもさして代わり映えがないのは残念。もっと言えば、2世代目はシナリオ的にも全然違う物だったのに対して、3世代目はどのシナリオもほとんど同じ内容だったのは・・・。ついでに言えば、セーブデータが2カ所しかなかったため、4つのエンディングを見るのは非常に困難でした。そのため、熱狂的なファンはソフトを2つ購入したとか。あぁ、そうそう。ちなみにこの結婚システム。後にDQ5やドラゴンヴァラーがパクった参考にしたと噂されましたが・・・さて真相はどうなんでしょうね?
 サウンド面で個人的に気に入ったシステムが、パーティーの人数によってフィールドの曲が変わること。曲が変わると言っても曲そのものが変わるのではなく、人数=音色の数という変わった物。最初一人だった時は主旋律だけの曲だったのが、人数が増えるとドラムが加わり、ベースが加わりといった感じで増えていって・・・5人そろって初めて完全な曲になるんです(ちなみに、パーティー内に死亡者がいると、その分は人数に数えられない)。このシステムは非常に面白いですよね。曲そのものが良いだけに、こういうこった演出はうれしい限り。ただ、一人の時すごく寂しいけど(笑)。まぁだから5人そろった時感動するし、パーティーに欠員がいると寂しいという感じが余計にするんだよね。
 と、このようにPS3は様々なアイデアがぎっしり詰まったゲーム。このゲームがもっと開発期間があったらどんなにすばらしいゲームになっていたか・・・敵のグラフィックと開発が前作と違うと言うだけで懸念するのは間違っている。まぁ今からやるには少々つらいゲームではあるだろうけど、是非どこかでふれて欲しいゲームの1つだなぁこれは。

ストーリー&世界観

 先に紹介したように、PS3はマルチストーリーです。なので・・・ストーリー紹介も主人公ごとに紹介しますので混乱しないようにね。また、3世代目の内容はほとんど変わらないので、シーン以外は冒頭とエンディングだけ紹介しています。4人の共通部分はシーンの章の間のものになります。

ケインの章(1世代目)
 ケインとマーリナの結婚式当日。二人が愛を誓い合おうとしたその時に、突如黄金の龍が現れ、マリーを連れ去ってしまう。「ハハハ!! 我は、ライアの一族。マーリナ姫はいただいていく!」。婚約者を連れて行かれたケインは怒りに燃え、ライアの一族との全面戦争を宣言する。だが、一人の女性のために全面戦争をする訳にもいかない王は、王子としての責任を考えろと頭を冷やさせるために地下牢へと幽閉してしまう。
 地下牢のケインは、マーリナを諦めることが出来ずに脱走を試みる。そこへリナと名乗る女性が現れ、ケインの脱走を手伝って去っていく。脱出に成功したケインは、単身マーリナを救うために情報集めに翻弄。そんな情報の中に、瞬きをしない女性がうろついているという話を聞き、ライアの一族に関係あると疑ったケインはその女性を捜すことに。しかしその女性はライアの一族ではなく、580年前に作られたミューという名の感情を持ったアンドロイドだった。エネルギーが切れて長い間放置されていたのだが、何者かに目覚めさせられたという。だが、行く宛のないミューは「瞬きをしない」ということで気味悪がられ孤立していたため、ケインと同行することを申し出る。
 その後、東の世界に行くために必要な「森のサファイア」を探す途中、このサファイアを持ったライアの民ライル・ラ・ミラーと出会う。彼はあっさりとサファイアをケインに渡してしまう。ライルが敵なのか味方なのか判別できないまま二人は東の世界へと。そこは雪に閉ざされていた。どうやら砂漠の世界にある気象コントロールタワーの故障が原因だと判明した一行は、タワーへ向う。途中、オラキオの一族に使えるようプログラムされたというシーレンと出会い、彼を仲間に。そしてタワーでは故障のために困っていたというライルと再会し、彼も仲間に。シーレンのおかげで気象コントロールが正常になった一行は、かつて雪の世界だったところからいよいよライアの一族の待つ地へと旅立つ。
 ライアの民はオラキオの民と何ら変わらない、普通の人間だった。だが、オラキオの民がライアの民を誤解していると同様に、ライアの民もオラキオの民を誤解していた。そんな民を目の当たりにしながらも、マーリナを連れ去ったライアの民を追っていた一行だったが、途中、シューソランという街の城に入ったところでライルが別行動を取る。そして彼は、王のまで単身待っていたのだ。「この先へ進む前に、君の力を試したい」と、彼は1対1の対決を申し出る。これに勝利したケインは、ライルに一人のと女性を紹介される。その女性は、地下牢からケインを逃がしたリナだったのだ。彼女はこの先月の石が必要だと知り、ケインの後を追ってきたのだという。
 ライルとリナをパーティーに加えた一行は、リナの持ってきた月の石と、ライルが持っていた月の涙を使って、再び気象コントロールタワーへ。ここにあったサテライトパネルに二つの宝石をはめ込むと、紫の月と青の月が接近。シューソランの北に広がっている海が割れ、浅瀬が出現。いよいよマーリナが待つシールの街へと。そしてここの城下町で信じられない事実が発覚する。なんとマーリナはこのシールの姫君だったのだ。マーリナ誘拐事件は、オラキオの王子とライアの姫との結婚を防ぐことが目的だったのだ。それでもマーリナを諦められないケインは、シール国王の元へ。姫を渡すわけには行かないと言う国王を倒したケインを、国王はオラキオの民とは言えすばらしい男だと認め、マーリナとの結婚を了解する。だが・・・その前にもう1つの問題が浮上した。なんと、ケインと共に行動をしてきたリナは、マーリナとの結婚の前にケインの許嫁だった隣国サテラの姫だったのだ。マーリナというライバルがいるにもかかわらず、ケインのために賢明に尽くしてきたリナ。ケインは二人の女性のどちらかを選ばなければならなくなり・・・・・・。

アインの章(2世代目。ケイン×マーリナ)
 マーリナを選んだケインは、オラキオの民としての,リークの王子としての地位と名誉を全て捨て、ライアの,シールの王となり、アインという息子をもうけた。そして十数年後、アインが立派な王子として成長した頃、突然オラキオの旗を掲げたロボット軍団がシールを襲ってきた。突然の進軍に対処できなかったケイン王とマーリナ王妃は、息子アインとミュー,シーレンを逃がすことが精一杯だった。突然襲来した戦乱を嘆いたケインはアインに、永遠の平和の世界サテライトを探すように命じ、自らは国を守るために残ることを決意する。
 国を出たアイン一行は、シューソランでライルとその娘ランに挨拶をすませ、ロボット軍団をけしかけた犯人とサテライトを探すためにオラキオの国へ。そこではなんと、ケインの故郷リークがモンスター軍団に襲われているという情報が。世界各地が戦乱に巻き込まれていることを心配しつつも、旅を続けるアインに、さらなる不幸な知らせが。なんとロボット軍団がさらに大群を引き連れてシールとシューソランへ向かったという。心配になったアイン達は急遽引き返したがすでに遅く、双方の国とも廃墟と化しており、人の気配すらなかったのだ。唯一シーンに残っていた男の情報で、双方の国の民は砂漠の世界へ脱出していることを聞きつけ、一行は砂漠の世界へ。途中サテライトの情報も仕入れつつ、砂漠の国にある洞窟でケインやマーリナ,ライルと再会を果たす。だが、ライルの娘ランは逃げ遅れ、東の世界へ連れ去られたという。ランを助けてくれと言うライルの願いを受けつつ、一行は東へと向かった。
 無事ランの救出に成功したアイン達は再びライルの元へ。そこでライルにケインの生まれ故郷リークへ向かうように指示を受け、リークへ。しかしそこには人の気配がなく、途中立ち寄った街も同様だった。不安を抱きながらも王座へと向かった一行は、そこでリナの一人娘、リンと出会う。彼女の母リナは、ケインを失ったリークと自分の国を受け継ぎ、一人奮起していた。リンは主のいなくなったリークを任されていたのだ。そんな母の苦労を見ながら育ったリンは、オラキオを裏切った(と勘違いしている)男ケインを恨んでおり、その息子であるアインにも同様の恨みを抱いていたため、襲いかかってきた。これに辛くも勝利したアインは、誤解が完全に解けていないながらも、リンを仲間に加えて旅立つことに。
 そして三度ライルの元に戻り指示を受けたアインは、サテライトへ行くためのロケットがあるといわれているフロトラーンへ行くために龍のしっぽと呼ばれている岬へ。そこへたどり着いた一行を待っていたのは、龍の姿に変身したライルだった。なんとライルは龍の姿に変身できる能力を持っているだけでなく、かつてマーリナをさらったのも自分なのだと自供する。アイン達を背にのせ、フロトラーンへとたどり着いたものの、ライルは先のロボット軍団との戦闘で受けた傷を無理して変身したために力つき、娘が見守る中息を引き取っていった。
 フロトラーンからロケットに乗り込み宇宙に出た一行は、驚くべき姿を目の当たりにする。なんと自分たちが住んでいた大地は、「アリサ3世」という巨大な宇宙船だったのだ。そしてロケットが行き着いた先は、青の月だった。そう、青の月こそサテライトのある場所であり、青の月は人工衛星だったのだ。そしてここでは、1000年前にミューンと共にオラキオの片腕として戦っていたアンドロイド、サイレンが待ちかまえていた。かつてのライアとオラキオの戦いの中で、ライアにサテライトごと宇宙へと放り出されたサイレンは、長い間青の月で眠らされていたが、ケインがかつてマーリナを救うために月の星と月の涙で紫の月と青の月を動かしたために目覚めたのだ。目覚めたサイレンは復習に燃え、ライアの民を根絶やしにするために準備を進め、ロボット軍団を送り込んだのだった。全ての元凶であるサイレンを倒したものの、サイレンは逃亡。しかしこれで平和は訪れることとなった(リークの国周辺が襲われた理由は、シーンの章参照)。平和とサテライトを手に入れたアインは、もう一つ重要な選択を迫られることになる。そう、隣国の姫ランと父への誤解が解けたリンのどちらを妃として迎え入れるかという選択が・・・・・・。

レインの章(2世代目。ケイン×リナ)
 マーリナを追いかけてシールまでやってきたケインだったが、リナの献身的な愛に打たれ、また王子という立場上リークを捨てるわけにもいかず、最終的にリナを結婚相手に選んだ。そして二人の間にはレインという息子が生まれ十数年の時が流れた。突然、リークの隣国であり、リナの故郷であるサテラがモンスター軍団に襲われ全滅させられるという事態が起きた。何故モンスター軍団がサテラを襲ったのか? そして首謀者は誰なのか? その謎と原因を調べるために、ケイン王はレイン王子に調査をするよう命令を下す。早速レインはミュー,シーレンを連れサテラへ。
 情報収集を開始したレインは、モンスター軍が1000年前のライアとオラキオの戦いの時代、ライアの片腕だった男ルーンの軍団だと語っていたという情報を得る。何故1000年前の人物の名が今になって出てきたのか? 真偽も解らぬまま、唯一の手がかりとなったルーンを追って西の世界へ。この世界の国グランディレクタでは、なんとルーンの妹ルイセを捕まえたと街の者たちが浮かれていたのだ。事実、ルイセは地下牢に囚われていた。「兄のルーンは、昔は優しい人でした。しかし、今はある理由から復習に我を忘れています。私ではもう兄を止められない。どうかルーンを止めてください」と懇願するルイセは、そのまま姿を消してしまった。また情報が途絶えてしまい途方に暮れるレインだったが、街の人からルーンに対抗するレジスタンスの存在を聞き出し、一行は彼らに会うために本拠地へと向かうことにした。
 レジスタンスのリーダー、ダン・カ・シウムに会うことはできた。だが、彼はルイセを逃がしたことでレイン達をルーンのスパイだと誤解していた。なんとか誤解を解こうと試みるがダンはいっこうに聞き入れない。とそこへ、なんとルーンが姿を現したのだ。「そこの男は、敵とはいえ騎士の誇りを失っていないようだ」とレインを評し、妹を助けてくれたお礼とばかりに彼がスパイでないことを証明して見せたのだ。ダンは誤解していたことを素直に認め、ルーン打倒のためにレインと同行することを申し出る。そしてレジスタンスが集めていた情報も入手。どうやらルーンは砂漠の世界で何かを探しているようだ。そこで一行は砂漠の世界へ。
 砂漠の世界の地下には、どうやら神殿が存在するらしい。だが砂漠の地下水道を通る必要がある。どうしたものかと途方に暮れていたところに、なんとシーレンがレジスタンスの基地で手に入れていたサブマリンパーツを使ってアクアシーレンへと変身。これで地下水道を通ることが出来る。一行はアクアシーレンを使い神殿へ。その神殿では、1000年前に戦争を引き起こしたライアの妹が、ライアの名を受け継ぎレイン達を待ちかまえていた。彼女はライアの名を受け継いだ日から、7年ごとに1ヶ月だけ目覚めるというコールドスリープを繰り返し1000年という時を永らえていた。ライアは名を受け継いだものの、1000年前の戦争については何も知らず、またルーンの凶行の原因もわからないと言う。だが、彼女は真実の姿を知りたいとレイン達に同行を求め、共にルーンの元へ向かうことに。そのためにも、先代ライアとオラキオの真の姿を知るために、二人の真実の姿を伝える街、マイストークへ向かうことに。
 マイストークでは、ライアのペンダントが眠っていた。そのペンダントを起動したことで、ライアとオラキオの真の姿が明らかに。なんと、1000年前の戦争はライアとオラキオが共闘して闇の存在を討ち滅ぼした戦争だったのだ。真実を知った一行は、ライアペンダントのおかげで各地に点在していた神殿間をワープすることが出来るようになり、ロケットが眠るパイロッタの村へ向かうことに。
 ロケットに乗り込みルーンの待つ紫の月へと向かう一行は、宇宙に出たことで信じられない事実をまた1つ知ることになる。なんと自分たちが住んでいた大地は、「アリサ3世」という巨大な宇宙船だったのだ。そして紫の月と青の月は、人工衛星だったのだ。紫の月で待ち受けていたルーンは、オラキオの民への激しい憎悪に支配されていた。そう、彼はライアとオラキオが共に戦っていたことを知らないのだ。怒りに我を忘れているルーンとの戦闘を何とか勝利するレイン達。ルーンは敗北の中落ち付きを取りもどし、レイン達の中にライアがいることに気付く。ライアの説得とライアペンダントがルーンに真実を伝え、ルーンはオラキオの民への憎しみは消え失せた。こうして、レインの冒険は幕を閉じるのだが・・・彼には大事な選択が待っていた。そう、命の恩人として密かにレインを慕っていたルイセと、共に旅をすることで恋が芽生えたライアのどちらかを選ぶという選択が・・・・・・。

シーンの章(3世代目。アイン×ラン)
 サテライト(青の月)に移住したアインとランは、シーンという息子をもうけ幸せに暮らしていた。だが、突然アリサ3世と同型の宇宙船に攻撃を受け、壊滅寸前に追い込まれる。アインとランは主としてこのままサテライトと共にすることを決意するが、シーンにはアリサ3世にいるリンの元を訪れるよう命令を下し、ミュー,シーレンと共に脱出させた。なんとかアリサ3世の砂漠の世界に不時着したシーンは、両親の死という悲しみを乗り越えてリンの元へ。リークの女王となっていたリンは、かつて愛したアインの死を悲しみながらも、シーンにアリサ3世の現状を語る。1000年前にライアの片腕だったルーンが冷凍睡眠から目覚め、オラキオのために攻撃を仕掛けているという。サテライトを攻撃したのもルーンである可能性が高いこともあり、シーン達はルーンの元へ向かうことに。そのためにも、砂漠の世界の地下に眠るライアの宝が必要らしい。地下に潜るためのサブマリンパーツを手に入れ、一行は砂漠の地下に眠る神殿へと向かう。
神殿で待ち受けていたのは、1000年前にオラキオと戦ったライアの妹だった。彼女は戦争の後にライアの名を受け継ぎ、7年おきに1ヶ月だけ目覚めるという冷凍睡眠を繰り返し永らえていた。1000年前と今の真実を知りたいという彼女を仲間に加え、ルーンの待つ紫の月へと旅立つ。
 紫の月で待ち受けていたルーンは、確かに過去オラキオの民を苦しめるためにモンスター軍を送り出していたことは認めた(アインの章でリークが襲われた事)。だが、今は反省しモンスター軍を送り出していないと言う。真実は雪の世界の空中都市に住む、高い知識を持った人々なら知っているかもしれないと語る。一行は空中都市に向かうために必要なスカイパーツと、父の過ちを我が血で購うというルーンの娘ルナ(ファイター・ルナ)を加え、再びアリサ3世へと戻ることに。
スカイパーツを使いスカイシーレンへと変身した彼を使い、空中都市に来た一行は、この世界に最強の武器と呼ばれる5つの武器があることを知る。この5つの武器を手に入れるには2つの条件を満たすことが必要になる。1つは5つの武器の元となる「オラキオの剣」「ライアの弓」「サイレンショット」「ミューンクロー」「ルーンスライサー」を手に入れること。もう1つはこれら最強の武器の真の名前を知ること。どちらも水の世界にある賢者の島にあるという。すでにライアの弓とルーンスライサーを手にしていた一行は、一路賢者の島へ。
 賢者の島へ向かう途中のファウンダウリという村で、一行はアリサ3世のいわれを聞くことが出来た。このアリサ3世は、かつてパルマ太陽系に存在した星、パルマから脱出した移民船の1つだったのだ(PS2参照。つまり、PS3はPS2より未来の話であることがここで初めて明かされるのだ)。そして賢者の島に渡りついた一行は、オラキオの片腕だったアンドロイド、サイレントと出会う。彼もまた、ライアとオラキオの真実を知らず、ライアの民を苦しめてきていたのだが、もはや憎しみ続けることに疲れ果てていた彼は、サイレンショットを一行に受け渡すとそのまま崩れ落ちてしまった。これで武器は3つそろったが、残りの2つはここにはなかった。5つ全てそろえたら名を教えようと言う賢者達。一行は残り2つを探し出すために島を離れた。
 オラキオの剣は、海底に沈んだ神殿の中にあることを突き止めた一行は、神殿でその剣を見つけ引き抜くことに成功した。だが、このことがより大きな災いを呼ぶこととなる。なんとオラキオの剣は、かつてオラキオとライアが共闘し倒した闇の存在を封印する役割を担っていたのだ。剣を抜くことで、その闇の存在を復活させてしまったのだ。その闇の存在の名は・・・ダークファルス!
 ダークファルスを復活させてしまったこともあり、5つの武器を早急に集めなければならなくなった一行は、最後の1つであるミューンクローを持つミューンの元へとやってきた。1000年もの長き間、オラキオを探し求めさまよっていたミューンは、オラキオの剣を持った主人公をオラキオと勘違いし、歓喜の涙を流しながら崩れ落ちてしまった。ミューンクローを残して。
 とうとう5つの武器をそろえた一行は、賢者より真の名がかたられた。「武器にしてこの世の武器に非ず。一瞬の輝きのためにもたらされたもの。その名を、ネイという・・・・・・」。そして賢者はさらに驚くべき事を語った。ダークファルスを封印したオラキオの兄、ルラキルが、ダークファルスに魂を売ったというのだ。一行は真相を確かめるためにルラキオの待つ聖なる都ラシュートへと向かった。だが・・・彼らを待っていたのは、善良な市民と、彼らを暖かく迎え入れた王、ルラキルだった。不審に思いながらも、5つの武器にネイの名を与えるために高い知識を持つ人々が待つクランクレアへ。ここで待ち受けていた高い知識を持つ者たちは、自分たちの命と引き替えに5つの武器にネイの名を与えていった。こうして最強の武器を手に入れた5人は、再度ラシュートへ向かう。
 再び訪れた聖都は、悪の都へと変貌していた。人々は呪いの言葉を吐き散らし、怒りと憎悪にまみれたルラキルが奥で待ちかまえていた。1000年前の戦いで妻と子を亡くしたルラキルは絶望にうちひしがれ、ダークファルスに魂を売っていたのだと、彼は語った。その戦を仕掛けたのがダークファルスであったにもかかわらず・・・。ルラキルを倒した一行は、さらに奥へと続く地下迷宮へと足を踏み入れる。
 1000年前にライアとオラキオを戦わせ、その中でも1000年後に復活するためにルラキルを抱き込んだダークファルス。彼は驚くべき真実を口にした。そして彼は、ダークファルスの封印を解くために、大がかりな計画を実行していたのだ。マーリナの漂流から始まり、閉鎖されていた各ドーム(世界)への通路を解放させてモンスターを送り込み易くさせ、サテライト(月)を動かせてルーンとサイレンを目覚めさせ戦争を引き起こし、オラキオの剣を引き抜かせた・・・これらは全て裏でルラキルを操っていたダークファルスの策略だったのだ。3代に渡り、彼らはよかれとしてきたこと全てがダークファルス復活のために踊らされていたことだったのだ・・・・・・。ダークファルスを倒したものの、絶望した主人公は、怒りに我を忘れメギドを発動させてしまう! メギドの力で崩れ落ちる地下迷宮。もはや脱出は不可能と思われたが・・・これ以上自分の好きな人たちが死んでいくのは耐えられないと、グランツを発動させ、全員を地上へとテレポートさせ事なきを得るのであった

 全てが終わったところで、唐突に宇宙から交信が。アリサ3世と同型の宇宙船で、アリサ3世同様にパルマから脱出していた「ネオパルマ」からだった。シーンは彼らとの共存を受け入れ、再び新たな歴史が始まるのだった。

ノインの章(3世代目。アイン×リン)
 リンと結婚したアインはリークの王となり、ノインという一人息子を授かっていた。そして十数年後、あのサイレンが再び現れ、ランたちを倒してアリサ3世の軌道を太陽に向けてしまったのだ! なんとか軌道を元に戻すためにアリサ3世のパイロットを捜す旅に出るよう、アインはノインを旅立たせる。ノインは途中、オラキオの兄ルラキルが復活したという噂を聞きながらもパイロット探しに躍起になるのだった。
 ◎〜◎
 アリサ3世の軌道を修正したノインは、そのことで新たな惑星を発見する。ノイン達はこの惑星を新たな故郷にすることを決め、新しい歴史を築いていくこととなる。

フインの章(3世代目。レイン×ライア)
 ライアをつれてリークへと戻ったレインは、二人の間にフインとライア(3代目)の双子に恵まれた。そして十数年後、娘のライアは毎晩、暗い穴に落ちる不思議な夢を見続けていた。代々ライアの名を受け継ぐ物はエスパーとしての能力があるため、母ライアはこの夢を不安に思っていた。そしてこの夢が現実の物となったのか・・・突然リークが大地震に襲われた。宇宙船であるはずのアリサ3世で地震が起きた・・・ライアの夢のこともあり、レインはフインに調査するよう命じる。フインはミュー,シーレン,そして妹のライアをつれて、ルーンの元へ。彼なら今回の真相を知っているかもしれないと思ったからだ。
 途中、オラキオの兄ルラキルが復活したという噂を聞きつけ、さらに恐ろしい真実が発覚した。地震の影響でアリサ3世の軌道がずれ、ブラックホールに向かっているというのだ。そしてルーンの元へ訪れたフインは。彼からからもう1つの驚くべき事実を聞かされた。なんとアリサ3世と同型の宇宙船が、アリサ3世を攻撃。互いが攻撃を繰り返し向こうの宇宙船が大破。その爆発が地震を引き起こしたというのだ。だが、ルーンは大破した宇宙船が何だったのかは見当がつかないと言う。ずれてしまったアリサ3世の軌道を戻すために、ルーンの娘ルナ(プリンセス・ルナ)も仲間に加え、再びアリサ3世へと向かった。

 ※〜※
 ライアの予知夢のおかげでブラックホールを回避したアリサ3世は、また新たな1000年の旅を続けるのだった。

ルインの章(3世代目。レイン×ルイセ)
 レインはルイセを妻に迎え、ルーンと共にサテライトで平和に過ごしていた。そしてルイセはルインという男の子を出産し、十数年後。サテライトの外で信じられない光景が繰り広げられた。なんとアリサ3世が、同型の宇宙船と抗戦しているではないか。なんとかアリサ3世が相手を撃沈したものの、いったい何者の仕業だったのだろうか? 気になったレインはルインに調査を命令。ルインは従妹に当たるルナ(プリンセス・ルナ)をつれてアリサ3世へ。そこで恋破れ再び眠りについたライアと出会い、彼女も仲間にして調査が始まった。
 ※〜※
 ダークファルスは倒したものの、もう一つの脅威が迫っていた。なんと先の謎の宇宙船と攻防した際、相手の爆発によってアリサ3世の軌道がずれ、ブラックホールに向かっていたのだ。もはやどうすることも出来なかったアリサ3世はブラックホールに飲み込まれ・・・1万年も過去へとタイムスリップしていた。しかも見知らぬ銀河に飛ばされ途方に暮れていたところ・・・近くの惑星の都市「ロンドン」から交信が・・・・・・。

 ストーリーがとにかく広大なので、読んでて解り難いところもあるでしょうね。実際書いている方もちょっと混乱気味(笑)。基本的にどのストーリーへ移行しても、おおざっぱではありますが同じ話の流れになっているので、全体的にストーリーが全く変わると言うことはないです。一番違うのは2世代目ですが、これもサイレン,ルーンが共に目覚め、各々ライアの民,オラキオの民に攻撃を仕掛けていることに変わりは無いという展開になっています。で、3世代目で語られなかった片方を軽く紹介して、同じストーリーへと持っていっています。一見、ストーリーに対した違いがないので手抜きと思われますが、こういう細かいつじつま合わせって大変なんですよ。今は容量がありますしシナリオチームもかなりの人数で構成されるようになりましたが、当時の容量と開発人数を考えると、骨の折れる作業だったと思いますよ、これ。大体マルチストーリー自体当時他には滅多になかったしねぇ。テキストアドベンチャー的な物でもなかったわけだからねぇ。設置されたダンジョンをいかに活用しながら話を進めるかとか・・・ただシナリオを構築するだけじゃない苦労もあっただろうからね。まぁ、そんな苦労はプレイヤーに関係ない言われたらそれまでですが(汗)。
 セーブ箇所が2カ所しかなく、分岐途中からやり直すことがちょっと難しかったこともあって、4つのエンディングを統べてみた人は非常に珍しいと言われています。実際、僕は4つとも見たのですが、このこと自体を友人や知人によく驚かれました(それ以前にプレイしたことある人がほとんどいないというのは内緒/汗)。なのでプレイはしたことあるけど他のキャラのストーリーを知らなかったという人は多いでしょうね。なので、本当は各エンディングをもっと詳しく紹介したかったのですが・・・僕の記憶が曖昧で・・・やり直して確認しようにもメガドライブがつかえんし(ちなみに、本体は生きていたのにコントローラーだけ死んでいた。余計悔しい/笑)。なので簡単な紹介になってしまってごめんなさいね。結構詳しく紹介された同人誌などもあるそうなのですが(なんと、開発者本人が書かれた同人誌もあるそうで・・・)それらはさすがに所有していないので、簡単な紹介になってしまいました。もしもっと詳しいことを知っている方がいましたら、是非情報提供をぉ(他力本願)。
 さてストーリーの中身ですが、最初のマーリナ遭難から全て、ダークファルスの陰謀だったというのがすごいですよね。1も2も、そして4も、ダークファルスという名前は出るものの、正直ラスボスという存在感は薄かったですし、2と4はラスボスですらありませんでしたからね。そういう意味で、PS3のダークファルスという存在はかなり重要なものだったと思います。影で糸を引く巨悪。その役割を見事演じきったダークファルスのおかげで、ストーリーに深みを増したと思います。が、矛盾とかおかしな部分とかがないわけではない(汗)。例えば、マーリナの遭難はまぁよしとして、その後マーリナとケインが恋に落ちなかったら計画失敗やん(笑)。まぁ恋に落ちなくても、マーリナがオラキオの民の元にいることを利用して、ライアの民との戦争を仕掛けるという作戦だったのかもしれませんけどね。ある程度二重三重の計画を練っていたとしても、ゲームでは語られないから・・・もっと深い計画だったと思っておこう(笑)。
 ところで、最初の結婚イベント、あなたならどちらを選びます? 普通・・・マーリナだよねぇ。なんか、リナを選ぶと罪悪感を感じるのは俺だけかなぁ。だって、マーリナのためにシークまで来て、それでリナを選ぶってどぉよ。まぁリナも悪い娘じゃないんだが・・・なんかリナを選ぶ=国を捨ててまでマーリナを愛せないって感じがして嫌だったなぁ。当時のゲームとしては難しかったんだろうけど、もしリメイクするなら、もっとキャラクターの台詞とか感情表現とかを増やして、感情移入しやすいシーンを組み込んで欲しいね。これは他のシナリオでもいえるけど。だって言いたいこと言っていなくなるルイセをどうやって愛せと?(笑)とか思うしなぁ。ちなみに、僕は最初のプレイでマーリナ→リンと選びました。マーリナは上記の理由で、リンは単に好みで選びました(笑)。
 PS3の中で重要な物に、アンドロイドの登場があるということは先に紹介しました。これは当然ストーリー上も重要な役割があり、ミューが前作のネイのような存在として描かれているところが特に重要ですね。人々から嫌われ、さまよっているところを拾われるところなどもネイと似ていますし、武器にクローを使うところもね。またミューはシリーズ(PSOを含む)中唯一テクニックが使えるアンドロイドでもあります。エンディングではグランツでみんなを救うシーンもありましたしね。結婚はさすがにないものの、3世代にわたって仕えた彼女こそ、真のヒロインだったのでしょう。憶測ですが、PSOに登場したシノが、ミヤマ家に3代にわたって仕えていたというのは、ミューの影響で定められた設定・・・なのかもしれませんね。
 PSシリーズの歴史からは、パルマ太陽系からはずれた話ということであまり重視されていないところもあります。しかしファンの間では、ルインのエンディングで過去の地球(とはいえ、宇宙船と交信できるのだから、僕らの世界よりは近未来なのでしょうけど)と遭遇していることで、この後地球にダークファルスが持ち込まれ、後にPS2に登場する地球人につながるのでは? という考察があったりします。また、パルマからアリサ3世と同型の宇宙船がいくつも脱出,移民をしているという設定がありますが、この船の1つがPSOでラグオルに不時着した船なのでは? という考察もあったりします。あくまで考察なので設定にあるわけではありませんが、PS3は他の作品への影響力も意外とあるという証にはなっているんじゃないでしょうかね。
 時間軸の話では、PS3は1000年前のライア=オラキオ戦役の事を考えると、少なくともPS2の2000年以後ということになり、PS4よりも未来の話ということになっています。2000年も宇宙をさまよっていられる宇宙船ってすごいよな・・・とかってことはあまり考えちゃいけません(笑)。
 ストーリーと直接関係ないのですが、実はケインが地下牢に捕まる前に、装備している防具を売ることが出来るんです。これを売るとイグザオカリナ(ダンジョンから脱出する道具)を購入することが出来、これを持ったまま地下牢に捕まった時に使用すると・・・ゲームが進まなくなります(笑)。この状態で王と話をすると「これは一本取られた。すまんがそこのリセットボタンを押してやり直してくれんかのぉ」とか言われるんだよね(笑)。そんな台詞を用意するくらいならこの技が出来ないようにした方が・・・まぁ、たぶんデバク中に発見されて、時間がなかったための応急処置だったんだろうなぁ。

キャラクター

 とにかく数が多い(汗)。正直印象に薄いキャラもいるのでここはザッと紹介する程度に。

ケイン=サ=リーク
 第1世代の主人公。結婚相手によってこいつの性根がよぉくわかる仕組みに(笑)。まぁ最初に反対を押し切ってマーリナと結婚しようとしたり、寂しがっていたミューを助けたり、一途にマーリナの元へ向かおうとしたり・・・それなりに愛に生きる男なんだろうなぁ。リナが惚れちゃうわけだ。ちなみにオラキオの民はテクニックが使えないという設定のため、彼はテクニックを使えないのだ。

マーリナ=ル=シール
 彼女の遭難が、ダークファルスの復活計画の礎になるのだから・・・これでリナに寝取られ(爆)たらかなり不幸な女性だよな(苦笑)。まぁ逆に結婚できたのなら、それほどまでに愛されたのだからかなり幸せな女性だともいえるけどね。ところで、従兄のライルは龍に変身できたんだが・・・彼女は変身できたのかなぁ?

ミューTYPE S2
 ケインに拾われ、3代にわたって仕えることになるアンドロイド。目覚めてから拾われるまでに、忌み嫌われた彼女の心中は・・・どんな物だったんだろうね。感情があるだけに、つらかったんだろうなぁ。彼女の存在意義は上記に示したとおり。影のヒロインとして、筆者は非常に気に入っています。

シーレンTYPE386
 ミューに対して、感情のないアンドロイドとして登場した男型。パーツがあれば海にも潜るし空も飛ぶ・・・が、人と同じ大きさの彼が、パーツで変形したところで、どうやって4人を連れて行ったんだろう? というのは、もちろん考えちゃいけないことです(笑)。彼の変身シーンはちゃんと用意されていて、その時だけ曲が変わるんだけど、この曲がかっこいいんだよねぇ。でも普通にゲームしていると1ループ聞くこともない(汗)。

リナ=ノ=サテラ
 許嫁を影から見守る献身的な女性・・・といえば聞こえは良いけど、ケインを寝取った女性といえば悪女になる(笑)。ついでにいえば、彼女と結婚しなかった場合、自分の娘リンはケインを裏切り者とかいってのけるし・・・どんな教育をしたんだろとか思ってみたり(笑)。いやまぁ、本当は恨み言の1つも言わなかったんだろうと思うよ。そんな彼女の姿を見たリンが、母の苦労を知らないケインの息子に一言言ってやりたかったんだけだろう。まぁどちらにせよ、台詞がほとんど無いだけに、プレイヤーの誤解を受けやすい女性だったのは確か。もっとちゃんとしてイベントとかで、彼女の魅力が引き出せれば良かったんだけどねぇ。

ライル=ラ=ミラー
 自分の従妹がオラキオの民と結婚するのが嫌でかっさらったという、ある意味シスコンな奴(爆)。ケインを試すためとはいえ、彼の行動はちょっと理解しがたいものが多いが・・・まぁ試練だから仕方ない(笑)。彼もまた、ちゃんとしたイベントがあれば伊達男としての魅力を引き出せたかもしれないんだけどねぇ。

アイン=ル=シール
 ケインとマーリナの息子。第2世代の主人公。ランのなつきぶりを考えると・・・小さい頃ランと何してたんかなぁとかちょっとうらやましく思う筆者(笑)。まぁそのかわり、リンにいきなり罵倒される彼はそれなりに不幸かも。ライアの民であるマーリナの血が受け継がれたため、ケインの息子でありながらテクニックが仕えるようになっているのが特徴

ラン=ラ=ミラー
 ライルの娘。設定ではライルに蝶よ花よと甘やかされて育てられたらしいんだが、結構しっかりした性格のように見受けられる。お嬢様ながら礼儀は知っているし、スライサーを使いこなしながら回復と攻撃のテクニックを使えるしで、かなり頼りになるキャラクターでした。彼女の場合はさらわれたりさらわれる前に会話することもあったりしたので、それなりに性格設定が伝わりやすかったのも好印象だったかも。

リン=ノ=サテラ
 結婚できなかったリナの怨念で生まれた娘(違)。いきなり罵声浴びせて斬りかかるほどのおてんば(私語)で、主人公を恨みながらも同行し・・・どうして結婚できるかなぁ(笑)。彼女の心中を表現するシーンがほとんど無い(というか、戦闘前後しかない)ので、彼女がアインに引かれていく様子とかが表現できたら、それはそれはドラマチックな物になっただろうに・・・。個人的に、リンを主役にした恋愛小説は書いてみたい。それくらい彼女のシーンがないのがもったいないと本気で思う。

レイン=サ=リーク
 ケインとリナの息子。第2世代の主人公。彼は純血のオラキオの民なので、アインと違ってテクニックが使えない。そのことで若干ゲーム的に不利になることもないわけではないが、まぁそれはさして気にならない程度。攻略本の設定には「ケインの猪突猛進な面とリナの一途な面を持ち合わせた性格」とあるが・・・どんなや(笑)。

ライア(妹)
 ライア=オラキオ戦役でオラキオと戦ったライアの妹。ライアの名を受け継ぐと7年ごとに1ヶ月だけ目覚めるという事を繰り返してきた。そのため、1000年経っても15歳という設定に。計算してみると、1000÷7=約143。つまり143ヶ月=12年育った計算になるわけで・・・1000年前は3歳だった計算になる。まぁどうでも良いことだけど(笑)。当時の彼女からしてみれば、どうしてライア=オラキオ戦役が勃発したのかも知るよしもないし、ライアの名と血を1000年もの間後世に残すためだけに眠り続けたのだから、不幸な生い立ちではありますね。彼女が真実を知りたがるのも無理はないよね。めでたくレインと結婚できた場合はもう眠りにつくこともなくなるんだけど、出来なかったらまた眠り続けるのも・・・。彼女は、最終的にどうしたんだろうなぁ。ある意味PS2のルツと同じような立場にいる女性なのだが、ルツのように使命感があったわけではないしなにも知らなかった点は異なりますね。でもエスパーという共通点があることもあり、間違いなく彼女はルツの代役といえるでしょうね。グラフィックがどことなく神秘的な魅力があるのが印象的。、

ダン=カ=シウム
 レジスタンスのリーダー。ルーンにあっさり進入される間抜けなリーダー(笑)。まぁルーンにしてみればダン達は驚異でも何でもなかったんだろうなぁ。正直、あまり印象がない・・・なので、これ以上書くこともない(汗)。

サイレンTYPE0889
 ライア=オラキオ戦役で、オラキオの片腕として活躍したアンドロイド。戦役中に青の月に飛ばされ眠らされていたが、ケインが月を動かしたことで目覚め、ライアの民へ復習を始める。ルーンと違って往生際が悪いのが特徴(笑)。彼に感情があったのかどうか定かではないので、復讐とはいえそれがただのプログラムなのかどうか・・・。アインの章では最後に逃走するし、ノインの章ではアリサ3世を太陽につっこませようとするし・・・第3世代の話では疲れたとか言って壊れるし。ダークファルスの影響かどうかは解らないが、こいつ本当にオラキオの片腕だったのだろうかというほどの悪人ぶり(笑)。

ルーン=ケイ=エシル
 ライア=オラキオ戦役で、ライアの片腕として奮起した参謀。戦役中に紫の月に飛ばされ眠らされていたが、ケインが月を動かしたことで目覚め、オラキオの民へ復讐を始める。レインの章での彼は、まさに復習に我を忘れた鬼とかしていたのだが、それでも武人たる礼儀を忘れないところもあったりして、どことなくかっこいいように見えるのだが・・・ライアの存在に気がついてなかったり、シーンやノインのストーリーではあっさり反省してるし・・・なんか、彼はマルチシナリオの罠にはまって設定がおかしくなっちゃった犠牲者かも。

ルイセ=ケイ=エシル
 ルーンの妹。彼女がオラキオの民に捕まったことが、ルーンの総攻撃の引き金になったとも言われていますが・・・どうして捕まったのかは謎。ルーンのスパイとして活動していたのかな? それにしても、言いたいこと言って牢から出て、そのあとどうして結婚できるかなぁ(笑)。設定によると結構ブラコンな所があるらしく・・・余計に結婚できたのかが謎に包まれるな(笑)。

シーン=ル=シール
 アインとランの息子。第3世代の主人公。冒頭でいきなり両親を失う不幸は、全主人公中最悪と言っていい。

ノイン=ノ=サテラ
 アインとリンの息子。第3世代の主人公。名前から解るように、姓は母親であるリンの方を受け継いでいる。まぁ姓のことも考えると・・・アインって尻に敷かれてたんだろうなぁ(笑)。オラキオの民としての血が濃いものの、1/4がライアの民なのでテクニックは使える。

フイン=サ=リーク
 レインとライアの息子。第3世代の主人公。唯一一人っ子じゃない主人公(笑)。オラキオの民の血が濃いにもかかわらず、ライアの血が直接入っているためか、テクニックは豊富。額にルビーのような物があるのもライアの血のため。

ライア=サ=リーク
 レインとライアの娘。ライア3代目に当たる。第4世代があったら、兄妹で結婚とかあったのかなぁ(爆)。ライアの名を受け継ぐだけあって、エスパー能力まで引き継いでおり、彼女の能力のためにブラックホールに吸い込まれることを避けられるというエピソードがそれを物語っている。

ルイン=サ=リーク
 レインとルイセの息子。第3世代の主人公。従妹のルナと一緒に育てられてうらやましい奴(笑)。まぁ、ルーンとルイセの教育が正しかったどうかちと疑問だが・・・レイン、苦労しただろうなぁ(笑)。

ルナ=ケイ=エシル(プリンセス・ルナ&ファイター・ルナ)
 ルーンの娘。第2世代がアインだった場合はファイター・ルナが、レインだった場合はプリンセス・ルナになるが、これは容姿と台詞が変わるだけで、能力的には全く一緒。ファイター・ルナはアイン達と直接交わることの無かったルーンが、オラキオの民への復讐心が残った状態で育てたためか好戦的な性格になっている。対してプリンセス・ルナはレイン達に改心させられた後に、平和な環境で育てられたためかお嬢様として育てられている。はっきりと好みが分かれるだろうなぁこれ。

ミューン
 ライア=オラキオ戦役で、オラキオの片腕として活躍したアンドロイド。彼女には感情があったらしく、ひたすらオラキオを待ち続けさまよい続けた悲しい存在。主人公をオラキオと勘違いした彼女が崩れ落ちるシーンはもうちょっとドラマチックな演出が欲しかったなぁ。ちなみに、彼女は第1,2世代の時も、砂漠をうろついている姿を確認できます。

ライア(姉)
 ライア=オラキオ戦役を引き起こした張本人。ダークファルスに洗脳されたとはいえ、彼女の起こした戦争は民を二分するほどの大戦となってしまった。どのようにして洗脳を逃れたかは謎ですが、後にオラキオと共闘してダークファルスを封印しています。オラキオとロマンスがあったんだろうなぁ・・・PS3の続編(PS4ではなく)とかが出せる状況なら、このへんのストーリーもゲームに出来たかもね。

オラキオ=サ=リーク
 ライアに対抗して突如として現れた勇者。相棒のサイレンは極悪人だけど(笑)。彼がどうやってダークファルスを封印したのかは謎。またライアほど語り継がれた話もないので、いまいち印象に薄い。

ダークファルス
 シリーズ中、おそらくはもっともボスらしい存在だっただろう。シナリオ紹介でも書いたように、自らの復活を影で演出するあたりは、よくあるRPGの邪神のようですが、PS3の場合はその真相が最後の最後で明らかになったりという演出が功をそうして、かなぁり邪悪な存在としてのイメージが強く印象に残りました。実際シリーズ中一番強く感じましたし・・・って、まぁPS2と4は中ボスだったしねぇ(笑)

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