PSの世界と歴史

ファンタシースター

 AW(アルゴル世紀)342年、アルゴル太陽系第一惑星パルマ星は、国王ラシークのもとに繁栄を極めていた。アルゴル太陽系と他の惑星を植民地として開拓し、ファームプラントおよび資源採取のための計画も順調に進んでいた。またパルマ星のスペースポートからは、第二惑星モタビア行きの星間連絡船が絶え間なく行き交い、数年後には第三惑星デゾリス星にもスペースポートが着工することになっていた。
 ところが、この年の春、不気味な噂が流れ始めた。ラシークをはじめとする支配階級の貴族たちが邪教にとりつかれ、ラシークは永遠の命と引き替えに、このアルゴル太陽系を売り渡してしまったらしいと。
 その噂は現実の物となって現れた。各惑星に異形のモノが横行し、人々の暮らしを脅かし始めたのである。何かとても恐ろしいことが起ころうとしていた・・・・・・。

「どうしたの、にいさん!」
 少女の叫び声が、あたりの空気を切り裂いた。少女の名はアリサ。ここパルマ星の中心都市カミニート居住区で育ち、今年15歳になる。
 少女の兄はネロといい、18歳。スペースポートで荷揚げ作業員として働いている。幼い頃に両親を亡くし、兄妹ふたり肩を寄せあい暮らしてきた。
 ロボットポリスはぼろ布のようになったネロを放り出すと、アリサをあざ笑うように、冷たく言い放った。
「ラシーク様のことを、こそこそとかぎまわりやがって!痛めつけられたくなかったら、これからは、せいぜいおとなしくしていることだな」
 冷たいコンクリートの上に、アリサと瀕死のネロが取り残された。アリサが手を握ると、ネロはうっすらと目をあけ、アリサを見つめた。
「アリサ聞いてくれ。ラシークは、この星に巨大な災いを招いてしまった。世界は今、破滅に向かっている。オレは、ラシークが何をたくらんでいるのか探っていたんだ。けれど、オレひとりの力では、どうすることもできなかった!」
 ネロの目に涙が浮かんだ。それは、アリサが初めて見る、兄の涙だった。
「ラシークのことを探っている途中で、タイロンという強い男のことを聞いた。奴と手を組めば、ラシークを倒し、この星を救うことができるかもしれない。アリサ・・・・・・オレは残念でたまらない・・・・・・何もできなかったことが、そして、おまえをおいて逝かねばならないことが・・・・・・」
 アリサの声が悲鳴に変わった。だが、ネロの目は二度と開くことはなかった。
 やがて、あたりを夕闇がつつんだ。アリサの目には、涙のあとがのこっていたが、その瞳は強い光に満ちていた。アリサはネロが腰につけていたショートソードを胸に抱き、誓った。
「にいさん、わたしはあなたの意志を継ぎます。きっと、ラシークを倒して平和な暮らしを取り戻すわ!」
 こうして、アリサの長い戦いの旅が始まったのだ。

ファンタシースターマニュアルより抜粋

 こうして改めて読み返すと・・・強引なストーリーだなぁ(爆)。だいたい、一介の作業員が政治に首つっこむなよ(笑)。
 さて、記念すべき第1作目となったこの「ファンタシースター(以下、PS1)」は1987年12月20日マスターシステム(マーク3)専用ソフトとして発売されました。当時はファミコンでドラクエ(1)が発売されていたこともあって、セガとしてはドラクエに対抗して出した初のRPGソフトという位置づけもありました。そういう意識は(当時の)セガマニアにも強くあったらしく、発売当初から熱狂的な信者が存在していた、ちょっと珍しいデビューになっています。実際にはファンタシースター2(以下、PS2)で爆発的な人気を勝ち得ることになるわけですが、それもこのPS1の時に築き上げた支持者あってこそ、だったといえるでしょう。
 先にものべたように、PS1はドラクエに対抗して出されたRPGということもあって、徹底してドラクエと比較されました。そのために開発時から意識していたかどうかは別として、PS1はライバルドラクエとはシステム面も世界観も、異なったものを採用し違いをアピールしていました。
 まずシステム。フィールドは2Dなのですがダンジョンは3Dになるという、初期のウルティマと同じシステムを起用。今考えると、ウルティマも後にオンラインゲームとして世界的な人気を得ることになったわけですから・・・そういうところも類似してますね。
 そして世界観ですが、こちらはドラクエが中世的なファンタジー色が強かったのに対して、PS1はSF的な世界観を採用しています。ドラクエ、そしてもう1つのライバルであるファイナルファンタジーがヒットする中、RPG=中世ファンタジーというイメージが強くなっていき、なかなかSFのRPG作品がヒットしにくい環境になっていきました。そんな中だからこそ、PS1はSFファンの心を魅了してはなさなかったのかもしれませんね。
 ところで、このファンタシースターというタイトルですが、「星々を巡るファンタジー」という意味・・・もあるそうなんですが、「ファンタシースターの世界 ファンタシースターを作った人たち(徳間書店)」という本の中で、開発に携わった森本女史(エネミーやメッセージを担当された方)は、タイトルのネーミング決定の裏話をこう語っています。
「(当時)メインプログラマーの中さんがノリピーのファンで、当時「渚のファンタシー」って曲が好きだったんです。それでファンタジーをもじって「ファンタシースター」にしようってことになったんです」
・・・なんか、夢ぶちこわされるよな、この理由(笑)。まぁ当時から中社長はおちゃめだったってことで・・・(いいのか?)

ストーリー&世界観

 ゲームのストーリーをおおざっぱに紹介すると・・・

 兄の意志を受け継いだアリサは、兄が最後に言い残した「タイロン」という人物を捜し始める。が、タイロンはダンジョンの奥深くで石にされていた。彼を元に戻してほしいという、タイロンの飼っていた(?)ミャウという猫型生物を仲間にしてタイロンを救出。仲間にする。さらにこの後にルツというエスパーも仲間に加え、3人と1匹の冒険へ。
 母星パルマ,砂漠の星モタビア,氷の星デゾリアを行き来きし、見事ラシークの討伐に成功。だが、真の敵は彼ではなかった。ラシークを倒した瞬間、操られていたモタビア総督によって地下ダンジョンに落とされる。その先で待っていたのが・・・真の敵、ダークファルスだった。
 ダークファルスはラシークや他の貴族たちを操り、アルゴル星系に破滅をもたらそうとしていたのだ。苦戦の末、アリサたちはダークファルス討伐に成功、こうして平和が訪れたのだ。
 この後、アリサは正気に戻ったモタビア総督から意外な事実を聞かされる。なんとアリサは先代パルマ王の娘で、正当な王位継承者だったのだ(ラシークは失踪したアリサ王女の代わりに政権を握っていただけ)。そしてアリサは王位を継ぐかどうかの選択を迫られ・・・。

 と、こんな感じです。さすがに記憶をたどりながらだからかなぁりおおざっぱだけど(汗)
 ちなみに、最後の王位を継ぐかどうかを選択することになってるんですが、後のシリーズでは「王位を継いだ」ものとして話が進んでいます
 シナリオ中では、ミャウがラエルマベリーって果実を食べて翼が生えた姿に変身したりといったイベントや、大型の乗り物に乗って砂漠にある蟻地獄を越えたり氷山を壊して進んだりといったものもありますが・・・なんといってもインパクトがあったのが、地下にあったケーキ屋でしょう(笑)。PSOのクエスト「悪魔の食物」の元ネタとなったイベントで、「コンナトコロニ、ケーキヤガアッテゴメンナサイ」(PS1はメッセージ全てがカタカナだった)の台詞や、ケーキが3つ選択になっていたりとか、店の名前が「ナウラ」だったりとか、すべてここから始まっています。なにせPS2,PS4でもこのイベントあるんだから・・・もはや伝統だね(笑)。ちなみに、PS1でのケーキの役割は、モタビア総督に会うために必要なお土産・・・なんか緊迫感無いよね(笑)。
 ゲームの中では、ラシークは「永遠の命を得るためにダークファルスと取引をした」ってことになってますが、これは後に発表された設定で(後付とも言う/笑)「ラシークは善良な王だったのだが、アルゴルの秘密を知り、封印されていたダークファルスを解放してしまったがために操られた」ということになっています。アリサがなぜすぐに王位を継承できなかったかという理由も「前王がアリサ1歳の時に急死したため、ラシークの陰謀だと誤解した女官がモタビア総督の下に連れて行ってしまった。後にモタビア総督が一般市民として育てるために腹心の部下の元に託した」ということなんだけど・・・強引だよなやっぱ(笑)。まぁこういう強引な設定を後からも受けたのも、PSの人気が高まり、続編が次々に発売されたがため、でもあるわけですよね。

 PS1はシリーズの起点と言うこともあり、後の作品に色々と受け継がれていった物もあります。それはまぁ各作品紹介のところで語るとして・・・逆にこのPS1だけのものというのを紹介しておきましょう。
 まずは回復アイテム。PSOでは「○○メイト」という名前になってますよね。このアイテムはPS2から使われているんですが・・・ではPS1ではなんだったのか?実はペロリーメイトって名前でした。どっかで聞いたことある名前だよね(笑)。まぁさすがにペロリーメイトのままではまずいっていうんで「メイト」という名称だけ受け継いだんでしょうけど・・・PSOしか知らない人には、想像できんだろうね(笑)。
 次に魔法。PSOでは「テクニック」として存在しますが、この名称もPS2から。魔法的な能力はエスパーのマジック(超能力)として扱わていました。このテクニックとマジックは、後にPS4でもちゃんと区分されるんですよね。まぁテクニックに変わったのはSFらしくないからというのがあったんだろうけどねぇ。PS4でマジックが登場したのも、スレイ(PS4のキャラ)の存在をアピールするためのものだったわけだし(この辺はPS4の解説で)。まぁマジックからテクニックに変わっても、名称とかはさほど変化しなかったけどね(笑)。
 システム面では、ダンジョンが3DなのもPS1だけでした。まぁPSOも3Dって言えばそうだけど(笑)。とりあえず旧シリーズのなかで3Dを採用したのはPS1だけだったんだよね。この3Dダンジョンの制作をしたのが中さん。当時としてはものすごくなめらかに動くダンジョンに、誰もが驚いていましたよ。特に90度向きを変える時のスムーズさは・・・美しかったですねぇ。最先端の技術を用いるというのは、今も昔も変わってないのかも。
 驚いたと言えば、スタッフロールも驚かされました。だってエンディングの後いきなりダンジョンに落とされるだもん。ダンジョンを進むと、壁にスタッフロールが書かれていて、それを進みながら読んでいくという演出。これはかなり印象深い物でしたねぇ。なにせ、ラスボスだと思っていたラシークを倒した後もいきなり地下ダンジョンに落とされたってこともあって、まだあるんか!って本気で思ったしさ(笑)。

キャラクター

 PS1は、当時としてはめずらしく、女性が主人公のゲームでした(女性主人公で有名な「ワルキューレの冒険」が、このゲームの前の年に出ているくらいかな)。これはゲームのシナリオ面を担当した人たちが女性中心だったことが影響されていると言われています。まぁ今だと女性が主人公=男性向けギャルゲーってイメージがあるかもしれないけど、どちらかというと女性向けの設定が多かったかもしれませんね。「ミャウというマスコットがいる」「ルツという美形がいる」「主人公は実は王家の人間だった」というあたりを考えると、やはり少女漫画っぽいところが多いと感じますね。しかし、当時はゲーム=男の子の遊びだったわけで・・・そう考えると、冒険だったよねぇ。先にドラクエとの比較を語りましたが、むこうが正当な男の子向け冒険活劇だったとすれば・・・こういうところもドラクエの真逆を行ったRPGだったんですねぇ。
 そんな女流作家人が描いたPS1の世界を彩ったキャラクターたちを一部紹介しましょう。

アリサ
 本編のヒロイン。兄の敵討ちから始まって最終的に王位を継承してしまう・・・まんま少女漫画のサクセスストーリーを地でいった感じですね。マスターシステムのゲームでなければ、いまでもワルキューレに並ぶヒロインとして語り継がれただろうになぁ・・・。当時のRPGにはよくあった「プレイヤーキャラはしゃべらない」ってのもあって、印象に薄い主人公でもあったのも原因かな。むしろPS2や4で語られるアリサ像の方が印象に残っちゃってますね。あぁ、あと外伝の変わりっぷりとか(笑/詳しくは下記参照)。
 上記で書いたとおり、アリサ自身はオープニングとかくらいしか喋るシーンがないため、性格とかはいまいちよくわからないんですが・・・なんとなく、誰にでも優しい優等生タイプかな?たとえて言えばアンジェリークのヒロインみたいなかんじ?ようは少女漫画のヒロインそのまんまだ(笑)。

ミャウ
 マスコット的存在。見た目はまんま猫だね。一応種族名は「ジャコウネコ」というんだけど。どうしてタイロンに飼われていたのかは不明なまま・・・あの男がこんなかわいいペットを飼うようにはみえんのだがなぁ(笑)。
 このキャラは後のシリーズでネイ(PS2),ミュー(PS3),ファル(PS4)というヒロインの系統を生み出すきっかけになった存在で、ある意味旧シリーズの人気を支えた大本といえるでしょう。猫だから素手で攻撃してるんだけど、やはりゲームとして武器による攻撃力アップは必要。ということで生まれたのが彼(?/そういや、雄だったか雌だったかは語られてなかったような・・・)専用の「クロー」系の武器。これを後のヒロインたちが愛用し、PSOでも受け継がれていくわけだな。普通のRPGだとクローを専門に使うキャラっていないからね。そういう意味でもゲーム界の中でも目立つ存在になってたな。そういや、この「手」が変なところでキーポイントになってました。タイロンの石化を直すための薬「アルシュリン」は、元からミャウが持っていたんだけど、「ミャウの手では瓶のふたが開けられないから助けられなかった」という・・・笑える理由が描かれてました(笑)
 動物系の仲間というのも、今でも珍しいかも(ポケモンみたいなのは別格としてね)。まぁ動物系のキャラが乗り物としてイベントなどに登場するというのは今ではそう珍しくないけど・・・ミャウはそのどちらもこなした珍しいタイプだな。マスコットキャラとしても人気があり、PSOで言えばラッピーのようなマスコット的魅力があったと言えばわかりやすいかな?(あっちはエネミーだけど)。

タイロン
 よくいる、筋肉隆々の戦士専門キャラ。もっとわかりやすく言えばアーノルドシュワルツネガーを金髪にしたキャラ(爆)。他の2人と1匹に比べて、地味なキャラだったためか、後の作品で彼の先祖はNPC(ノンプレイヤーキャラクター,つまりイベントとかにだけ登場するキャラね)としてしか登場しなくなっちゃいました・・・。役割としては非常に重要だったんだけど、やっぱり華やかなキャラでないと駄目なのかねぇ。まぁ渋いオヤジキャラ的なところがあるから、そういう好かれ方はしてたけどね。

ルツ
 美形キャラ。それだけで存在が許されている(爆)。当時は美形キャラって意識したことはなかったけど・・・女性から見ると、かなぁり重要なキャラだっただろうなぁ・・・。先にも書いたように、彼の存在はこのPS1が少女漫画的な物だったという確かな証拠となっているのは間違いないだろうね。後にファンの間などで描かれた同人誌などでは、ルツとアリサの恋物語みたいなものが多かったことも、やはり「美形青年と恋に落ちるヒロイン」という少女漫画の王道を連想させる証拠になっているのではないだろうか。
 しかし、ルツの本当の価値はこんなものではない。というのも、彼は旧シリーズのシナリオ面を支えた重要人物だからである。ミャウがシリーズキャラの立て役者となったように、ルツは様々な形でシナリオをフォローしているのだ。PS1の後に、彼はダークファルスの研究に取りかかることとなり、PS2ではコールドスリープから目覚めて主人公たちをサポートし、PS4では彼の記憶を継承したキャラクターとしてスレイが登場している。ダークファルスの存在がPSシリーズのキーになっている以上、その存在を知りうる人物としてルツは重要な役割を担っていたのだ。なにせPS2は元々ルツが主人公のゲームとして企画されていたという位なのだから・・・その存在意義がわかるという物だ。
 とはいえ、このPS1の中ではやはりただの美形キャラ止まり・・・仲間になる時以外、インパクトのあるイベントも得になかったからね・・・ようは、後の作品の設定のために引っ張り出されたキャラといえなくもない(汗)。

モタビア総督
 キャラとして重要といわけではないけど(まぁシナリオ的に接触が多いキャラではあるけど)、あえてここで紹介するのは、やはり「総督」という名称かな?PSOではタイレル総督というキャラが登場するけど、けっこう「総督」という意味をわかっていない人が多い。総督とは、植民地などへ出向いた先の最高責任者のこと。モタビアは惑星の名前で、ようは「植民地モタビア星での最高責任者」ってこと。タイレル総督はパイオニア2での最高責任者ってことだね(ラグオルの総督なのかもしれないけど)。この説明がしたかったがために引っ張り出しました(笑)
 あぁ、それともう一つ重要なことがあった。彼がいなければケーキイベントがありえなかったということがね(笑)。

ラシーク
 正確にはラ=シーク。ゲーム中では魂を悪魔に売り渡した悪役として描かれていたのに、後から実はいい人だったとフォローされたかわいそうな人(笑)。しかも、PS4ではゾンビとして登場し・・・あっけなく倒される(笑)。いい人だったという設定はどこえやら・・・ほんとかわいそうな人だ。一応ここでラシークがダークファルスの結界を解いてしまった理由が語られてるけど・・・まぁやっぱ後付だよねぇ(爆)。
 PS3では主人公たちのネーミングに影響を与えている・・・っぽい(笑)。まぁそうだとは言い切れないんだよね。ただの偶然かもしれんし。でも「ケイン・サ・リーク」とか「マリーナ・ル・シール」とか、やはり影響されたネーミングであるのは間違いないと思うんだよね。王族だし。

モタビアン・デゾリアン
 簡単に言えば宇宙人。各惑星に元からいた知的生命体で、ちゃんと言語能力もある。けど、敵として登場(笑)。まぁちゃんとNPCとしても登場したりするけどね。PS2ではちゃんと居住区もあり、PS4では各一人ずつ仲間になったりもする。後の作品に影響している種族なんだけど・・・残念ながらPSOには登場しない。まぁPSOは旧シリーズとは別の物ということもあるんだろうけど。一応PSOでも宇宙人が登場する予定もあったらしいけどねぇ(設定資料集によると)。

ダークファルス
 シリーズのキーとなっている存在・・・なんだけど、PS2では中ボス扱いだし、PS4では3度中ボスとして登場した後に雑魚になる(笑)。それでも、ファンの心にはこいつの存在が大きいものになっている。それはこいつの存在そのものが大きく関わっているのだろう。
 ダークファルスの正体はPS4で明らかにされるのだが、それでも少し説明不足なところがいくつかある・・・というか矛盾ね(笑)。PS3におけるダークファルスの存在と、1,2,4のダークファルスの存在が矛盾してしまうんだけど、それは(僕は)あまり気にならない。というのも、ダークファルスという「深淵」から生み出された存在自体が重要なのであって、彼の、シリーズを通しての存在意義よりは各作品における彼の存在価値が重要だと思うから。もっとも、PS1においての存在価値は「真の敵を出すことによる、プレイヤーに与える衝撃」であって、「全部こいつのせいだっ!」の一言で全てを片づけられる便利な存在なんだろうけど(笑)。
 まぁこのへんの議論が一番ファンの間で熱弁をふるわせる物であり、設定があやふやなのが、かえって想像力をふくらませることになっているのは間違いないと思う。PSOを含めた全ての作品にいえることなんだけど、裏設定とか結構しっかりとした物があるように見せかけて、実は穴が結構多い。そこがかえって想像力を刺激する要因になっている。ファンはそこに引かれているんだと思うな。その代表と言うべき存在が、ダークファルスなんだろう。
 そうそう、こいつの重要なキーポイントは、宝箱の中に隠れていたってことだね(笑)。先に書いた「プレイヤーに与える衝撃」つまりびっくりさせる手法として、アイテムと見せかけてラスボスという方法を使ったんだろうけど・・・たしかに衝撃的だった・・・しばらくラスボスだとは思わなかったくらいに(笑)。この影響力はすさまじく、後の作品もみんな宝箱から出てくることに。PSOだと棺のようなものに近づくと登場したけど、あれも旧シリーズのファンに言わせれば宝箱なんだよ絶対(笑)。
 そうそう、ダークファルスの意味なんだけど、英語では「Dark Phallus」。直訳すると・・・「闇の○○○」と、放送禁止用語が(笑)。どうしても知りたい人は辞書を引きましょう。語源となっているギリシャ語では「ふくらむもの」って意味もあるから・・・「闇をふくらませる者」って意味になる?まぁ英語の見地から言えば「闇を注入する者」とか「闇の心を植え付ける」とかって意味になるかな。さすがに英語圏でこの名前はまずいから、「Dark Falls」とか「Dark Force(PS3のみ)」ってなってるみたい。しかしなんだ、直訳を考えた上で・・・PSOではリコにとりついたってことを考えると・・・18禁のネタになるなぁ(爆)。

ファンタシースター外伝

 存在を抹消したいだろうなぁ、いろんな意味で(笑)。ゲームギア専用ソフトとして1992年10月16日に発売。旧シリーズの中ではPS4の次に新しい作品なんだが・・・なんだがなぁ(苦笑)。
 ストーリーとしては、主人公アレックと幼なじみのミニナ(マニュアルではアレックの紹介で「ミニナの幼なじみ」ってかかれてるから・・・本当の主人公はミニナ?)が「ライトペンダント」を拾ったことで冒険の旅に出ることに。途中洗脳されていたアリサの護衛ロボダイダロス(後のダロス)やアリサ本人をパーティーに加えて大悪魔カブロンを倒す・・・ってもの。この唐突なストーリーに輪をかけるように、舞台となる惑星はアレサランドという、今までのシリーズで登場していない惑星であることから、外伝という名を借りた全くの別物と言っていい。
 だが、問題なのはアリサ本人が登場しちゃってること(コールドスリープしてたんだとさ)。しかも、ミニナはアリサのクローンだって言うし・・・あぁ、でもこのゲームに登場するアリサは、髪型も色も全然違うし(コールドスリープのせい?紫の色になってて妙に色っぽい)、実は別人ってことかも・・・そうであってほしいな(苦笑)。
 ゲームとしての出来は最悪。マニュアルのイラストは人物はいいとしてモンスターが・・・子供の落書き(汗)。はっきり言ってシリーズの汚点。それをよくもまぁファンタシースターってことでちゃんとクリアしたよなぁ、俺。たぶん同じ思いをした人はいっぱいいるだろうさ(笑)。


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