ハルファス

【解説】
 26の軍団を持つ地獄の伯爵で、「ソロモンの七十二柱の悪魔」の一人。ハルパスとも言い、鳩の姿で召還者の前に現れる。しわがれた声で話し、血のような赤い瞳を持ち死臭を漂わせている。
 好戦的で戦争に深く関わる力を持っており、戦場における準備(武器などの調達や兵の配置など)を召還者のために整える。ハルファスはこの際見返りを求めないが、召還者が引き起こした戦争そのものを楽しみ、戦死者の血肉を食らうとされた。
 ハルファスの姿や能力は同じ「ソロモンの七十二柱の悪魔」の「マルファス(マルパス)」と混同されながら伝えられていき、マルファスの特徴である「黒い鳥(あるいはカラス)」「建造」といったものがハルファスの特徴として混同されてきた。その為プランシー著の「悪魔の辞典」などにおいて、容姿は「黒い鳩」あるいは「コウノトリ」、戦闘準備に「要塞(や都市)の建造」などが加えられている。また両者を同一の存在だとも推察している。
 一説では、ハルファスは堕天しておらず天の使いとして戦を起こし、手にした剣で罰を与えるのだともされている。

【設定】
 リクエストがあって書きました。正直、彼のような「まさに悪魔」という感じの堕天使を空蝉の世界で表現するのは難しいなぁと思ってまして、避けてました。というのも、どうしても丸くなっちゃうんですよね、ほのぼのとした世界に入れちゃうから。実際かなり丸いハルファスになったなぁと思っていますが、これはこれでありかなと、今では思っています。
 一度ハルファスを調べ直すまで、俺は「黒い鳩」だと思ってました。女神転生シリーズでのハルパスのイメージが強かったので。実際に調べても黒い鳩として紹介しているのが多かったんですが、どうも多くの人が参考にする「悪魔の辞典」がそう紹介しているからってことであって、本来は黒くはないらしいというのを知りました。なので色は特に指定しないで書きましたが、黒か白かは読者のイメージで決めて欲しいなぁ・・・という、文章だから出来る「逃げ」を用意(笑)。いやいや、ここは「想像力重視」という事にしておこうか(笑)。
 戦闘配備のプロって事で、そこから何となく「将棋」を思いついて今回の話になりました。「チェス」でも良かったんだけど、駒の再配備が出来る将棋の方が、ハルファスにはあってるかなぁと将棋にしました。なんとなく、羽で駒を「掴む」より「すくう」方がビジュアルイメージが良いかなぁというのもあったんだけどね。

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