スクーグスロー&ドライアド

【解説】
 スクーグスローはスウェーデン出身の妖精で、森の中で生息している。正面から見るととても美しい女性なのだが、背中はうろになった樹木となっている。普段はそのうろを長い髪で隠している(基本的に彼女は全裸で現れるので、背中を隠すのは髪の毛だけです)。また爪はかぎ爪になっているとも言われている。
 人間にはとても友好的で、特に男性の狩人にはとても親切にする。彼女は狩人の持つ矢尻や銃口に息を吹きかけ幸福をもたらしたり、寝ずの番をして(野宿する際に使う)炭火を守ったりしてくれる。しかしその代わりに愛を求めると言われている。多くの男性は彼女の美しさに惹かれるが、背中のうろを見て逃げ出してしまう。
 また一説には、彼女は狩人にとって凶兆の表れであり、彼女を見るとつむじ風に襲われるとも言われた。その為狩人はスクーグスローに獲物の一部を供える必要があるとも伝えられている。
 日本ではかなりマイナーな妖精ですが、出身地のスウェーデンなどでは切手のデザインにされるなど、かなりメジャーな妖精のようです。

 ドライアドはギリシャ出身の妖精(ニンフ)であり、ドリアード,ドリュアスなどとも呼ばれている。緑色の髪に木の葉で作られた冠を乗せ、多くのニンフ同様とても美しい姿をしているといわれている。そしてやはり多くのニンフ達の例に漏れず、自ら気に入った男達を魅了したりします。
 ドライアドは樹木を憑代(よりしろ)にして生活しているため、憑代となる木が枯れたり切り倒されたりすると死んでしまいます。その為木を切り倒しに来る者に対して容赦が無く、ギリシャ神話では強引に木を切り倒した男に対し女神を通じて「いくら食べても空腹のままになる」という呪いをかけさせたという話もあります(この男は空腹のあまり最終的には自分の手足を食べて死んでしまいます)。また逆に説得に応じて切り倒すのをあきらめた男には幸福を授けたり、求婚されればそれに応じたりもします。
 木との結びつきが強いためか、ドライアドはミツバチを使い魔のように使役しています。上記のような形でドライアドを嫁に迎えた男が、彼女との約束を忘れ将棋に夢中になっていたところ、怒ったドライアドが放ったミツバチによって眼を刺され盲目となってしまったという話もあります。
 ドライアドが宿る木は樫あるいは楢の木だとされ、柏の木に宿るのはハマドライアド(ハマドリュアス)、トリネコに宿るのはメリアと呼ばれるそうです。またハマドライアドは通常のドライアドよりも木との結びつきが強いとも言われています(その為、ゲームではドライアドの上位種的な扱いになっていることもあります)。

【設定】
 両極端な女性ってことでコンビにしてみました。二人とも樹木の妖精だし。
 話自体は最初、スクーグスロー単独で考えていました。背中を見て怖がられるというのが北欧神話での話なんですが、本当にそれだけが原因だろうか? というのがネタの出発点でした。だってさ、背中がうろになってる「だけ」でしょ? 色々尽くしてくれる上に美人なんだから、背中がちょっと変わってる程度どーってことない・・・って考えるのは、俺が変態だからですか?(笑)。まあそういう思考があったので、「実はもっと他に嫌われる原因があるんじゃ?」と考えて、尽くしすぎる女性という設定になりました。そして自分でその事に気づかないでコンプレックスのせいにしてしまうというのもね。こういう女性って、意外に多そうだよね人間にも。「痩せればもてるんだよ」とか思いこむデブ男とか?・・・笑えないやorz
 ドライアドの方はスクーグスローと対照的になるように考えました。なんつーか、悪女って感じ? 作中で書ききれませんでしたが、「貢がせるだけ貢がせるので、男から逃げられるんだけど、それは相手に逃げられたのではなくて自分が飽きたから」だと自分に言い聞かせる、そんなタイプかな。結局は恋愛が成就しないタイプだね。ドラマなんかによく出てくる女性かな?
 二人とも非常に魅力的な女性だけど、結局どっちも恋愛下手なんだろうなぁと思って、中身は幼くしてみました。その方が逆に二人の魅力を引き出せるかな・・・というか、「萌え度」が高まるかなと(笑)。

目次へ