ヴァルキュリア

【解説】
 北欧神話に登場する戦乙女。ヴァルキュリアとは古ノルド語(北欧語)で「戦死者を選ぶ女」という意味。ドイツ語では「ヴァルキューレ」あるいは「ヴァルキューリ」と読み、英語では「ヴァルキリー」あるいは「ワルキューレ」と読む。ヴァルキュリアとは総称で、幾人もの戦乙女が様々な物語に登場している。
 彼女たちは諸説あるが、ディース(北欧神話における女神の総称)の一部とするのが一般的。ヴァルキュリアを世界中に広めたワーグナーの「ニーベルンゲンの指輪」では、主神オーディンの娘達(あるいはオーディンの侍女で、両親は別)という事になっています。他にも王族や巨人の娘がディースとなりヴァルキュリアへと昇格するとも伝えられています。また彼女たちの人数は定まっているわけではないが、「ニーベルンゲンの指輪」では九人と定められています。
 天翔る軍馬にまたがり、鎧甲に身を包み手には剣や槍などを携え、馬には盾と弓矢をつけている。また全身は光り輝いたとされてもいます。戦場に現れては死ぬ運命にある者を見つけ出し、勇敢な戦士ならば彼女自ら息の根を止め、死者となった戦士を鞍に乗せヴァルハラ(戦死者の館)まで連れて行くとされています。連れてこられた戦死者達はここで息を吹き返し、ラグナロク(北欧神話における終末戦争)の際には神々の側に参戦するとされている。それまでの間は、ヴァルキュリア達自ら戦士達に蜜酒(ミード)を振る舞うなどの世話をします。
 また彼女たちはオーディンが定めた勝敗を最終的に決定する立場にもあります。しかしオーディンの意志に背き敗れるべき者に勝利をもたらしてしまう者も中にはおり、そのような決定をしてしまった者はヴァルキュリアとしての資格を失いアースガルド(北欧における神の国)を追放されます。このように追放されたヴァルキュリアには、ニーベルンゲンのブリュンヒルド(あるいはブリュンヒルデ)など有名な(元)ヴァルキュリアが存在します。余談だが、「ヒルド(ヒルデ)」とはヴァルキュリアの別称です。
 ブリュンヒルドを始め(古)エッダに登場するスヴァーヴァなど、ヴァルキュリアの物語は激しい愛情の果てに悲哀的な幕切れとなる物が多い。その為か、ヴァルキュリアは総じて美女だとされています。

【設定】
 話のネタが、筆者の実生活に基づいているのは否定しませんよ(笑)。むろん、俺の側にヴァルキュリアのようなゲーマーはいませんけどね。
 今回の話は元のネタから先に考えて、「さて、誰が適任だろうか?」というところから決めました。その結果がヴァルキュリアだったわけですが・・・悲哀のヒロインをゲーマーにしてしまう俺のセンスを自分で疑う(笑)。
 性格設定は「激しい愛情劇のヒロイン」ってところから、「熱くなる人」ってことで、ああなりました。プラス、「自分は上手いけど指導は下手」というおもしろ(?)要素を入れて話自体を練ってみましたが・・・まあ、あまりヴァルキュリアらしくないと思うでしょうが、たっくさんいるヴァルキュリアのうちの一人だと思えば、彼女のような人が一人くらいいてもおかしくないでしょ・・・そう思うことにしましょうよ(笑)。
 ちなみに、一般的には「ヴァルキリー」や「ワルキューレ」の名前の方が有名なのでしょうが、どうしても「ヴァルキリー(バルキリー)」だとアニメの「超時空要塞マクロス」の戦闘機を、「ワルキューレ」だとナムコの「ワルキューレの冒険」のヒロインを連想してしまうので、もっとも原語に近い発音であるヴァルキュリアにしました。ヴァルキリーだと今なら「ヴァルキリープロファイル」での方が通りが良いのかな? 正しいヴァルキュリア(ヴァルキリー)のイメージはあのゲームから得てくださいね(笑)。まあ、個人的にはワーグナーの「ニーベルンゲンの指輪」を読むなり見るなりして欲しいんだけど・・・長いからねぇ、あれ。さらに古エッダも・・・って、ここまで読める人ならとっくに読んでるだろうな(笑)。

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