【解説】
 ドイツの妖精で、ギリシャ語の「子供」という意味が語源とされている。余談だが、このコボルトが英語読みになると「ゴブリン」になるため、コボルトがゴブリンの語源だともされている。
 ブラウニーやホブゴブリンの一種とされる家憑き妖精なのだが、元来は鉱山などに住み着いていた妖精と言われている。その頃は銀などを、銀に似ているが(当時は)無価値で有害な金属である「コバルト」に変えてしまうとされ、鉱山で働く者達を悩ませたとされている。コバルトは現在、「コバルトブルー」を生み出す金属として陶磁器やガラス工芸で役立たれている。後にこの金属をコバルトと命名したのも、コボルトの名前に由来しているとされている。
 家憑き妖精としてのコボルトは非常に悪戯好きで、住み着きたいと思う家に木切れ(かんなくず)をいれたり、牛乳の容器におがくずや家畜の糞を入れるとされる。もしコボルトを追い出したいなら、これらを綺麗に掃除してしまうのがよい。住み着いて欲しいなら、そのままにしておくと良い(とはいえ、このままではミルクが飲めなくなるので、そこはうまく糞などを避けて飲むようにする)。住み着いたコボルトは人が見ていない間に家事を手伝うなど、他の家憑き妖精と同じ事をしていく。報酬としては皿いっぱいのミルクがあれば充分である。
 容姿は赤い絹のコートを着た、金髪の子供のような姿だとされているが、人目にさらすことは滅多になく、色々な物に化けたり姿を消したりしています。
 ゲームなどでその名を知られるようになったコボルトは、妖精としての伝承とは全く異なって伝わっています。姿は犬の顔を持った小柄な怪物で、ゴブリンの手下的に登場することの多い雑魚モンスターにされていることが多いです。これは鉱山や家でコボルトが行う悪戯が悪質だと考えられたところから悪役へと転落させられた結果だと思われます。洞窟でのことから、同じく洞窟に住まい鉄鋼を好むドワーフにとっては天敵にされることもあります。また洞窟の妖精と言うことで、大地の精霊の一種にされたりもしています。

【設定】
 ホブゴブリン同様、「本当は雑魚モンスターじゃないのよ?」という事を紹介したくて書いた話ですね。ただ姿は、あえて伝承の方ではなくゲームで伝わっている犬顔の方にしました。その方が何となくラブリーな気がするので(笑)。一人称を「オイラ」にしたのも、なんとなーく犬顔に合うラブリーさを出してみたかったからですが・・・どうですかね?
 家のことになるとシルキーが頻繁に登場しますが、そんな彼女にも、たまには主人公に変わって困らせてみようかなと、話を考えましたが・・・その反動が結局は主人公に返ってくるんだな、やっぱり(笑)。
 どうでもいいけど、コボルト製の食器って、それはそれで希少価値高そうだけどね(笑)。さすがに実用には向かないけど。

目次へ