【解説】
 ドイツの妖精で、「ザント」とは砂という意味。日本語なら砂男、英語ならサンドマンになる。
 ザントマンは人の目に砂を投げかけ、その砂が目に入った人は睡魔に襲われ寝てしまう。砂が目に入っても睡魔に抵抗する人には、まぶたの上に自ら乗ってまぶたを強引に閉じようとする。まぶたが「重く」感じるのは、ザントマンがまぶたの上に乗っているから。
 姿は優しげな老人で、砂の入った袋を背負っている。イメージとしてはサンタクロースに近い(髭はサンタ程無いが)。背はかなり小さく、「(子供の)まぶたの上に乗る」という話なので、かなり小さいと思われる。しかし基本的に、ザントマンに砂を投げられるときもまぶたの上に乗られるときも、その姿を確認出来る人はいないので、本当の姿は不明・・・なはず。
 本来は優しい老人なのだが、なかなか寝ようとしない子供に対しては恐ろしい姿を見せることがある。子供に向かい砂を投げつけると、その子供の目は砂のために真っ赤に充血し、血まみれになって飛び出してくる。そしてその目を半分欠けた月へと持ち帰り、サンドマンの子供達に与える。子供達はフクロウのようなクチバシで目玉を突いて食べてしまう・・・という話。ただこれは、寝付こうとしない子供に対して母親が「言うこと聞かないとザントマンが来て〜」という具合に叱りつけるために作られた姿だと言われており、本来のザントマンの姿ではない。この恐ろしい方のザントマンは、ドイツの作家にして作曲家のE・T・A・ホフマンが「砂男(ザントマン)」という作品にしている。
 デンマークにもザントマンに非常に近い「オーレ・ルゲイエ」という妖精がいる。こちらは砂の代わりに甘いミルクを一滴目に差す。またこの妖精は同名の二人兄弟。片方はごく普通の睡眠と夢を司りますが、もう片方は永遠の眠り・・・つまり死を司っています。
 余談だが、このザントマンとオーレ・ルゲイエを題材にしたニール・ゲイマン原作の「サンドマン」というアメコミがあります。邦訳はインターブックスより全5巻と、同じくインターブックスから「夢の狩人」という、作画・天野喜孝,訳・夢枕 獏という、知る人にはたまらない本が出ております。上記のザントマンとはかなりイメージが違いますが、このサンドマン6冊は筆者大推薦のコミックです。

【設定】
 徹夜でプログラムを組んでいる人や、徹夜でネットゲームをしている人や、どこぞにカンヅメにされている漫画家や作家陣など・・・ザントマンに砂を何度もかけられている人は沢山いるんでしょうね(笑)。ザントマンの出身はドイツですが、今では日本に多く生息していそうな気がするのは俺だけか?(笑)。
 この話では、主人公は何度もザントマンに砂を掛けられていることになっていますが、筆者はほとんど経験無いんですよね。ライター時代に、某所にカンヅメにされたときぐらいしか(笑)。ただ、ザントマンに砂を掛けられている人ならよく見かけましたよ。まぁその人を直接見ると言うよりは、状況的にそれが判るというか・・・ええ、ネットゲームをやっていると、ザントマンに砂をかけられ「寝落ち」する人結構見たからねぇ(笑)。
 ザントマンというと、真・女神転生デビルサマナーに登場したザントマンがどうしてもイメージとして浮かび上がってしまいます。なので、口調が「マッド」なイメージが(笑)。「うぉ、うぉれがザァァントマァァァン!」みたいな。ソウルハッカーになると「ガインくん」の口調になるんだけど、これってイメージ的には怖い方のザントマンのイメージなんだろうな。イラストも「欠けた月」が顔(頭)になってるし。さすがにここの話ではちゃんと優しい老人の口調にしましたけど・・・メガテンのザントマンでも書いてみたい気もする(笑)。そして、ボクの希望。行きたいね、ベルリン。

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