【解説】
 ドワーフはドイツに伝わる妖精で、(日本では)一般的に「背は低いがガッシリとした体型」「髭を蓄えている」「鉱山などの地中で暮らしている」といった特徴で知られている。これらの特徴なども含め、ドワーフは北欧神話に登場する小人「ドウェルグ(ドゥエルガル)」を紀元としているとされている。ドウェルグは北欧神話の中でグングニルなどの武器やスキーズブラズニルという持ち運び出来る船,さらにはトール神の妃シヴの髪(植毛カツラ?)まで作ってしまう器用さが語られています。これらに加え、各地方で語られる小人の特徴(無口など)が混ざり合い、JRRトールキンが「指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)」などの世界で、現在のドワーフの形に整形しました。よって今知られているドワーフの特徴は全てトールキンによって作られた物、といえます。
 トールキンのドワーフ以外では、「白雪姫」に登場する七人の小人もドワーフだとされています。またドワーフはドイツ語では「ツヴェルク」だが、場合によってドワーフとは別種とされる事もある。七人の小人もドワーフと言うよりはツヴェルクだと紹介する本も多々あります。
 エルフ(Elf)もやはり北欧神話の「アールヴ(Alfr)」を源流にしているとされています。ただ、(日本で)一般的なイメージになっている「背は高くて耳が尖り、アーモンド型のつり目」といった特徴は、これもまた「指輪物語」における「ハイエルフ」の設定によって確立した物です。
 そもそものエルフはイタズラ好きな妖精そのもので、小人から成人まで様々な身長で語られており、一部を除き(尻尾が生えているなど様々)ほぼ人間と同じ姿だとされていました。その「一部」として「耳が尖っている」というものもあり、それをトールキンが取り入れたようです。
 源流となるアールヴは「リョースアールヴ」と「デックアールヴ」とに分かれており、これが後に「(ライト)エルフ」「ダークエルフ」になったとされています。しかしダークエルフ(アールヴ)はけして悪の妖精ではなく、肌の色が天然アスファルトよりも黒く、地中に住んでいるだけです。むしろトールキンも指輪物語の中では、森に住むエルフもダークエルフとしています(ハイエルフは国を築いているエルフで、ハイは「高貴な」という意味があります)。さらに、ドワーフ(ドウェルグ)もそもそもデックアールヴの一種とすらされていました。ダークエルフが悪の妖精(種族)となったのは、RPGの元祖、D&Dの影響が強いようです。
 ドワーフとエルフの仲が悪いのが一般的になっていますが、これもやはり「指輪物語」によって確立した世界設定によります。長くなるので簡単にして紹介しますが(是非「指輪物語」や関連書籍を読んでください)、そもそも仲が良かった両族が、二つの宝物をめぐって戦争にまで発展し、その遺恨がずっと続いているという設定でした。しかし現在多く見られるファンタジー作品やゲームなどでは、この「仲が悪い設定」は語られる事が無く、「それが常識」となっているようです。

【設定】
 ドワーフとエルフの夫婦って設定に、筆者はかなり萌えを感じております!(笑)
 そんなわけで、筆者としては「ドワーフとエルフの仲が悪い」という設定は無し、にしています(ついでに言えば、ダークエルフも「悪」ではない事にしています)。もっとも、仲が悪いという設定ありきで夫婦萌えなところもあるんですけどね(笑)。そもそもは「ヘンダーズ・ルインの領主」という、グループSNEによる短編小説集に収められている作品、「解けなかったドリル(ベースはT&T)」に登場するドワーフとエルフの「コンビ」に萌えを感じたのがきっかけかなぁ。
 今回の話ではあまりエルフの奥さんについて書けませんでしたが、基本は「職人気質な夫と物腰柔らかいけど心の強い奥さん」って感じの夫婦ですかね? そーいや「エルフの若奥様」なんて漫画が・・・あれの影響は一応無いと思っていますが・・・どーかなぁ(笑)。

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