デュラハン

【解説】
 一般的には、首のない胴が頭をかかえた騎士の姿をした怪物として知られており、頭は無かったり、頭の代わりに顔の付いた盾を持っていたり、胴の部分に顔があったりするバージョンも見受けられる。
 しかし本来のデュラハンは騎士ではなく女性である。首のない女性が頭をかかえ(無い場合もある)、コシュタ・バワーという首のない馬に棺を運ぶ二輪馬車を引かせ、その上に乗り現れるとされている。
 そんな彼女が騎士へと姿を変えたのは、馬車に乗る姿が騎士のようだった為と、デュラハンが語り継がれているケルトでは、他に首のない騎士の話が幾つもある為、これらと混同されたのだろうといわれている。また彼女はバイヴ・カハ三姉妹の一人、「マッハ」から変化したとも言われている。バイヴ・カハの長女モリガン同様、戦場を駆け抜けた女神であったために、騎士の姿へと移り変わったという説もある。余談だが、三女「ネヴァン」はバンシーへ変化したと言われている。
 彼女はバンシーのように死を宣告する妖精で、死する者の家の戸口に矢を突き立てたり、扉を開けた者へ大量の血を浴びせたりすると言われている。
 彼女の首がない理由が、古代ノルウェーの葬送習慣である「死者が蘇らないように首を切り落とす」というところからきているとされている為に、彼女はバンシー同様アンデットモンスター扱いされるようになった、とも言われている。

【設定】
 解説でも書きましたが、多くの人はデュラハンと聞いて「首のない騎士」を連想すると思うんですよね。ところが、拍手よりデュラハンを「美女で」というリクエストを頂きましたので、迷わず原点の女性デュラハンを書く事にしました。まあ、書くとしたらリクエスト無くても女性にしたでしょうけどね。ええ、筆者の趣味で(笑)。それにしても、リクエスト下さった方は「通」だなぁと思ったり・・・いや、筆者同様単純にスケベなだけかも?(笑)
 解説では「マッハから変化した」と書いていますが、筆者設定としては「マッハとデュラハンは別」としました。実はここにかなり悩んでました。別に「モリガン」を書いた時から、三姉妹は登場させたいなぁと常々思っていて、その際「マッハ」にするのか「デュラハン」にするのか、の選択を悩んでいました。これは同時に、デュラハンを「個人」にするのか「種族」にするのか、という悩みでもあったのですが、結果として「マッハとは別で種族名」にしました。こうすれば、一般的な「首なし騎士」のデュラハンも書けるしな、というのもあったので。
 さて、今回登場させたデュラハンですが、彼女は「デュラハンは乗馬して登場する」→「乗馬と言えばお嬢様なイメージ」という安易な発想で性格設定してます。つまり「乗馬をたしなむお嬢様」ですね。
 余談ですが、冒頭の食事シーンは、ネットサーフしている時に「机に頭を置いて、お弁当を食べている(食べさせている?)女の子のデュラハン」というイラストを見た事があり、今回女性のデュラハンを書くと決めた時にそのイメージがずっと頭にあったので、それを冒頭のシーンに持ってきました。ホント、食べた食事は何処を通るんだろう?(笑)

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