二口女

【解説】
 継子を憎み、ろくに食事を与えず餓死させた継母が産み落とすと言われている妖怪。
 見た目は普通の女性だが、長い髪の下には口が隠されており、その口は常に何かを食べようと腹(?)を減らせている。その為後ろの口へ食べ物を運ぼうと長い髪が蛇のように食べ物をつかみ取り、常に後ろの口へ運んでいる。後ろの口が何も食べられない時は、母親(継子を餓死させた継母)のあらぬ事(悪口)を喚き散らすという。

【設定】
 本人は最後の最後だけちらっと登場するという、珍しい形の話になりました。ちょっと久しぶりに「オールスター気味な話」を書きたいというのもあったんですけどね。なので二口女に関する話はほとんど出てきていませんが、設定としては「噂好きの女の子」という感じに考えています。もちろん、その「噂」と「それを話す手段」が問題なのですが(笑)。
 何故か、日本妖怪の女性は現代風にしたがる傾向にあるみたいですね。二口女みたいな女性・・・本当に口が二つあるんじゃないかって思う程によく食べる女性やよく喋る女性は結構いますから。そもそも日本の妖怪は神話などに登場するような神や悪魔ではなく、身近な人や自然現象から生まれる者が多いので、尚更親近感があるんですよね。だからこそ現在の女性にも当てはまりそうな妖怪が多いのが、現代風にしたがる傾向になっているのかなぁと自己解析してみたり。
 なんとなく、二口女は文車妖妃と「親友」にしてみました。なんかこのコンビも、普通に女子高生でいそうじゃないですか? 他にも親友いそうだなぁ・・・二口女や文車妖妃がいるクラスってのを創作してみたいですね、いつか。

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