オルトロス

【解説】
 エキドナを母に持ち、テュポーンを父に持つ怪物。一般的には双頭とされているが、三首だとも、あるいは体も三つあるという説もある。頭が二つであることを除けば、外見はやたら大きな犬そのもの。
 エキドナとテュポーンには多くの怪物が誕生しており、オルトロスの他には地獄の番犬ケルベロス,黄金のリンゴを守る不死の蛇ラドン(ゴジラに出てくる怪獣とは全く別/笑),九つの首を持つ大蛇ヒュドラ,合成獣の代名詞となっているキマイラなどがいる。
 オルトロスの兄弟達は、オルトロスも含めてほとんどが「ヘラクレスの12功業」の障害として登場している。この中でオルトロスは10番目の功業「怪物ゲリュオン(ゲリュオネス)の飼い牛の生け捕り」に登場する。三人の男が腹だけ一つになった姿をしている(牛の頭を三つ持つ姿、という説もある)怪物ゲリュオンの飼い犬として、主が所持している牛の番をしていたが、ヘラクレスに棍棒で一撃喰らって殺されてしまう。他の兄弟達はヘラクレスとかなりの死闘を繰り広げているのに・・・その為か、オルトロスはいまいちマイナーな怪物という印象が強いようだ。ただ「真・女神転生」シリーズにケルベロスと共に登場してからは知名度が(日本では)ぐっと上がったようだが、それでも立場は弱いままのような気がする・・・のは、筆者だけであろうか?
 ヘラクレスにあっさり殺されたオルトロスだが、しかしオルトロスは別の偉業を成している。彼は「ヘラクレスの12功業」の一番目に登場する「メネアのライオン」や、謎かけで有名なスフィンクスの父親なのだ。しかもはらませた相手は、なんと自分の母親でもあるエキドナ。そう、オルトロスは近親相姦によって子供を儲けているのだ。ただギリシャ神話で近親相姦はごく当たり前のように多数行われているので、物語上では驚くべき事ではないのだが。(追記:ゲリュオンの下でオルトロスと共に暮らしていた怪物にも「エキドナ」という同名で同じ姿の者がいたという説もあり、この場合こちらのエキドナとの間にスフィンクスなどを儲けたという事も考えられる)
 余談だが、オルトロスの出身をギリシャにしていますが、ゲリュオンが住む島は現在のエチオピアにある(修正:どうやらここは筆者の勘違いらしい。詳しい事は不明)ので、厳密に言うと「ギリシャ生まれエチオピア育ち(出身)」になります。

【設定】
 マイナー好きとしては、ケルベロスよりオルトロスだよね(笑)。まあ、登場させた理由の一番大きいところはこんな所です。
 作中の最後でマザコン発言によって怒らせてしまうシーンがありましたが、これは上記の解説で書いた通り、母親であるエキドナとの間に子供を作っているのでマザコンという設定にしたからです。オルトロスはメガテンのおかげで「ケルベロスの兄弟」って有名にはなりましたけど、具体的なところまで知っている人は少ないみたいなので強調してみました。まあ、近親相姦しちゃってるってなると格好良さに欠けるだろうしねぇ・・・でも18禁な方向には男女ともに萌える要素は多分にあるんでしょうけど(笑)。(追記:「解説」で追記した通り、「エキドナ」という同名の同僚(?)が存在していた説もあるのですが、筆者の「設定」としては「マザコンで、母と同じ名と姿をした同僚とは夫婦」という設定にしています。スフィンクスなどがどちらのエキドナが母親なのかは曖昧なままにしておいています)
 ところで、オルトロスの両親であるエキドナとテュポーンはギリシャ神話ではまさに「クイーンオブモンスター」と「キングオブモンスター」の称号が似合うカップルなのですが、この二人の出生とかその他諸々複雑な関係が多いです。相関図を書こうとすると頭がこんがらがります(笑)。近親相姦が当たり前のギリシャ神話は、一度読むだけでは絶対に関係性とか把握出来ないだろうな・・・たぶん20回読んでも把握出来ないと思う(笑)。

目次へ