文車妖妃

【解説】
 「ふぐるまようひ」と読む。書物を運ぶ小車の姿をした妖怪で、女性の恋文や文章に込められた怨念から生まれる。九十九神の一種とも言霊の一種とも言われている。
 特に何をする、という妖怪ではなく(というか、何かをしたといった話がない)ただ生まれただけの妖怪とされていたが、後々生まれた経緯などから設定を付けられ、様々な活躍(?)を見せている。
 マイナーな妖怪と思われがちだが、京極夏彦の「京極堂」シリーズや、シェアワールドノベル「妖魔夜行」シリーズなどに登場している。

【設定】
 この話だけでなく、「妖精学者」は「現在に妖精や妖怪がいるならば」という空想(という名の空蝉)から作られていますが、この話はそのある意味最もそのコンセプトが現れた話ではないかと自負しています。
 元のネタは随分昔・・・「下駄箱にラブレターを入れる」なんて学園物ラブストーリーの典型が流行っていたような時代に、そのラブレターがずっと忘れられたままになったら・・・という発想で考えていた話が元です。まぁ、その元となる話とは随分変わっていますけど(笑)。
 書こうと思ったきっかけは、あるサイトの管理人さんがご自身のプログ(日記)に「パソコンを買い換えることになったが、以前のパソコンに愛着があって」というのを見て、九十九神の話を思いついて、そこからこの文車妖妃の話を思いつきました。
 性格はごく普通の若い女性(何をもって普通かというと回答に困るけどね)。古くから生きている妖怪ではなく、ここ最近メールが流行りだしてから生まれた若い妖怪ということにしています。当初、メールから生まれたということでギャル(死語?)っぽい性格にして、台詞も全て「⊇σ∋ぅレニ、全τ≠〃ャ儿文字τ〃表言己£ゑ⊃м○レ)τ〃Uナニ(このように、全てギャル文字で表記するつもりでした)」ですが、あまりに読みづらいので却下(笑)。

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